よこすか芸術劇場にて小朝・茂山・昇太の京極噺

 そういうわけで横須賀まで出掛けてきたのだった。(だって横須賀が一番近場の会場らしいんだもん)こんなことでもなきゃ横須賀なんて行かないなあ、などと思いつつ。
 演目は以下。

 「どすこい」をどうやって落語に仕立てるのかなあ、と思っていたら、前半は昇太の持ちネタ「力士の春」であった。「貴乃花の爪の垢」で「貴乃爪」というやつである。それはそれで面白かったんだけども、討ち入りでばったばったと一人ずつ投げ飛ばすシーンは3、4人分投げ飛ばして見せて終わりだったのがちょっと寂しい。ずぶねりまでに何の技が出たのか、いくつか名前ぐらい挙げて欲しかった。(でも「どすこい」は妖怪噺じゃないような。不条理な「力士の討ち入り」という名の妖怪?;)
 小朝の豆腐小僧は、というと、噺があんまりにも短いんだそうで前半は別の噺「蝙蝠」をやっていた。まあこれも妖怪というかお化けのお話だからよろしゅうございます。可愛らしくて。情けない豆腐小僧も可愛らしくてよございました。スポットライトにBGMつきで「ヒロシです。」の調子で「豆腐小僧です。」と言うもおかし。あれもダウナー系のキャラクターでありますし。元ネタは狂言の豆腐小僧ではなくて、「豆腐小僧双六道中ふりだし」の方だったような。最後だけちょっと妖怪らしかったかもしれませぬ。
 狂言の「死に神」は私は2度目だかなのだけど、なかなか熱演でよございました。今回は死に神の衣装の説明が省かれていたかな。まあ見てるうちにゲンの悪さを象徴するような衣装なのは分かるんだけど、考えてみたらあのゲンの悪いアイテム類は、死に神というより貧乏神ではなかろうか。
 さて、笑って堪能して外へ出ると、同じ建物にショッピングモールがあって、某百円ショップが2つの売り場に分かれた巨大店舗を構えていたのだった。幸か不幸か私の生活圏内と通勤ルートなどには百円ショップがないもので、そういや新しく本棚立てたけどブックエンドがないことだし、工具が足りなくて椅子がうまく組み立てられなかったりしたし、他にも色々、と思いつつうろうろする。まんまと乗せられて大枚をはたくはめになる。くそう、百円ショップの陰謀めっ!
 そして遠い道のりを、百円ショップの重い買い物を下げて帰ったのだった。一体横須賀に何をしに行ったのだろう。ううむ。