国立劇場大劇場にて桂文珍独演会

 昨日に引き続き国立劇場大劇場へ。十日連続で行う桂文珍独演会の、今日は6日目。今日のゲストは桂米團治師匠。
 演目は以下の通り。

  • 林家うさぎ「うなぎ屋」(この方出囃子が「ウサギのダンス」。か、かわいい……白鳥師匠や昇太師匠と張る飛び具合だわ)
  • 桂文珍「高津の富」
  • 桂米團治「くっしゃみ講釈」

(中入り)

 米團治師匠の「くっしゃみ講釈」は2回目だけども、相変わらず調子よくって熱演でいいですな。今回もまたマクラには「唯一の人間国宝落語家の長男」とかいうのが出ましたけども、今回はあんまり受けてなかった。それよか、二枚目な顔で頓狂なボケ役も演じ切りくしゃみの連発に顔をひん曲がらせてみせる本編や、マクラの間に素でかましたボケ(「入れ歯が一本もおまへん」と言ったのは、実は「虫歯が一本もおまへん――入れ歯だから」というネタをやろうとしたらしい)の方が受けてましたな。わざわざ毎回「米朝の子」ネタを入れなくてもいいのに。
 その後の文珍師匠の話のマクラで、米團治の名前を襲名する前に、しきりとこの名前を「春團治」と間違えたという話もありましたな。あるいは「襲名するなら米朝だ」と強くと思いすぎてたのやもしれません。しかしお父上がご存命の間はそんなことはできますまい、ややこしくって。しかし、「小米朝」の名のままにしとくと、お父上が亡くなられたときに故米朝と紛らわしい――とこれも文珍師匠のマクラのネタでございました。
 さて、この文珍師匠の最後の演目はというと、古典の「能狂言」という噺を、現代の中近東某所にある某地大使、駐在の商社員に置き換えた新作、だそうな。
 やあ、これがね。それはそれは馬鹿馬鹿しくってよございましたよ。しかもちゃんと狂言の場面には、囃子方を三人出してやってましたし。わざわざあの、誰でも知ってる唄を。
 この日登場の囃子方は、太鼓:林家うさぎ、鼓:桂米左、笛:月亭八天 という顔ぶれ。(噺の中で紹介がありました)噺家ってこのくらい多芸じゃなきゃいかんものかしら。大変ですな。