津原泰水氏新刊発売記念イベントへ行く

 あいにくの雨になったが、九州は台風なんだ、それに比べればずっと好天だ、と言い聞かせて出掛ける。赤坂のバーですぺらにて、新刊発売記念ライブイベント「サウンド・トラック・フロム・ブラバン」があるのである。
 近日発売の新刊というのはこちら↓。

ブラバン

ブラバン

 80年代広島の公立高校ブラスバンド部と、四半世紀後の現代を結んで、音楽で綴る青春の甘酸っぱさと四十代の哀愁を絡めた群像劇――と、いったところ。珍しくというか幻想/サスペンス要因は絡まないお話。ホラー/ミステリ/SF読み以外にもお薦めできます。
 で今回は、イベント参加申し込み時に希望すると、この「ブラバン」のイベント向け先行発売分が自宅に送られてくるので予習がてら読んできてね、という企画だったのだが、不幸にして配達の遅れから届いたのは前日だったのだった。
 読みはじめたけどもイベント開始時にはまだ半分弱くらいまでしか行ってないよ……;
 まあ読んでなくても相応に楽しめるという企画ではあったのだが。津原氏の所属するバンド「ラジオデパート」(改めラジオ商店だかラジオキオスク?)のライブセクションは、ほぼこれまで聞いたラジオデパートライブと同様の雰囲気であった。クイーンのカヴァーに挑戦したあたりが80年代的ではあったが。(ちなみに「サウンド・トラック」だったのは主にライブ以外のBGM。文中に登場する音楽をほぼ網羅していたのだった)
 今回のイベントは、スタッフ以外でほぼ席が一杯になるか、という、混み過ぎもしないほどほどの入りであった。音楽に浸りつつ、揚げた芋とか揚げた鶏とかチリビーンズとか牛肉とかを食し、久しぶりにすっかり油っこい気分になっていたりした。今回カウンター席に座っていたら、ですぺらにはアブサンがあることが判明。なんだー、そうならそうと言ってくれればー! ということでプラコップ一杯の水をお供にアブサンをちびちびいただく。ああ安上がり。後で胃腸に来ないかなと心配したが、意外にも快調なままだった。
 ともあれ「ブラバン」の残りはゆっくり味わうことにしよう。ホラー因子がない(ほとんど)とはいえ、色々と「厭」な因子はちりばめられていて、長閑にばかりもしてられない造りになっている――まあ雰囲気としてはかなり明るく長閑に切ない感じのようだけども。(ちなみにある登場人物の身体的喪失を知るところで、私は「二十四の瞳」を思いだしましたよ。舞台もキャラクターも全然違うのに――もしかして瀬戸内を一緒くたにしてるか?;)
 ところで、9月29日には神田三省堂にてサイン会があるとのことだけども、先行発売で買っちゃったらこっちのサイン会の整理券は貰えないことであろう。――てかイベントでサイン貰ったし!
 そういうわけで私は行きませんが、興味のある方は是非。