目黒駅東商店街の「目黒のさんま祭り」に行く

 さんまとすだちと大根おろしを無料配布する、というので出かけていく。加えて4回ばかり入場無料の寄席もやる、というので。
 ただなんとなくいやな予感はしていたのだが。目黒駅で降りて外へ出るというと、東口方面はぎっしり人ごみだった。なんでも昨夜のアド街ック天国で取り上げてたそうで。畜生余計な真似を!!
 歩行者天国ではなく中央一車線ずつを車に残しているので、歩道は余計に混み合う。さらに左手神社側には寄席の整理券待ちの列、右手にはもうもうたる煙に包まれたさんま待ちの列が歩道の半分を占めている。
 みんなそんなにさんまが好きか。いや、既にしてさんまは関係ないかも。要は「タダだから!」と「何か知らないけど並んじゃったから」かも。
 ここは両方は無理、と踏んで、寄席の整理券待ちに並ぶ。とても日当たりがいいので、まず薬局で安くペットボトル飲料を入手し、日除けを被って。
 ほどなく係員が人数カウントしに来て、もう収容人数いっぱい、ということで追加を締め切った。幸いにしてこれで、私も最終回の分を入手できることになったが、行列はそのまま。配布時間を明示した手前、時間までまだ待たせとくらしいのだった; まあ行列の準備はしてたし、そうこうしてる間に前後の並びの方々ともお話しするようになったり、沿道に陣取ったバルーンアートの芸人さんを鑑賞したり、阿波踊りの連が通り過ぎてくのを眺めたりしていたので、さほど苦ではなかったのだが。
 しかしてこの待ち時間の間に、この人混みのなかに救急車なんか来て、対岸のさんま待ちの行列あたりに担架が。人混みで詳しいところは見えなかったけども、どうやら誰ぞ運ばれて行った様子であった。そらもう大騒ぎ!
 ともあれやがて整理券は配られたので、寄席の会場時間まで手近のカフェに入ってお茶をする。結局この日は一匹もさんまを食さずに終わったことであった。
 寄席はというと、誕生八幡神社の地下にある、数十人くらい入れる部屋に椅子を並べ、会場にしていた。ふむ、広さや音響は悪くない。ただ問題は、舞台の両袖から出入りできるようにはなってないんで、客席右手前にあるスタッフ用階段を使って出入りするというと、ざぶとん返しを置く余裕もないらしいのだった。
 この日の第四回、最終回の出演者/演目は以下の通り。

  • 銀座ボッブ他一名 漫才(当初予定は漫談だったらしい)
  • 立川志の八高砂や」 二つ目昇進記念、とのこと。おめでとう!
  • せーじけーすけ 漫才 「びっくりしーてー脳みそパッカーン!」とか言うておられた。定番のギャグらしい。
  • 三遊亭吉窓「目黒のさんま」

 この会場、スタンドマイクの付け替えや、演目の紙の捲りなどといった手間がなければ、相当楽だろうに、と思いながら見た。このへんの作業はほぼ、志の八氏がお一人で引き受けておられた。自分が高座に上がる前にもまずマイクスタンドの設置と演目めくり、終わった後もサゲの余韻の残る中をマイクスタンド設置し直しと演目めくり。ううむ; ちなみにこの志の八さん、火曜に見た志の輔師匠のお弟子さんだそうな。
 トリの吉窓師匠は、私は初めて見ると思うのだが、飄々とした感じでよございました。しかしこの方はさんま祭りの初回から「目黒のさんま」のために呼ばれて来てるんだそうで。それだけやってるというと、ついにはお殿様モデルの松平出羽之守の地元松江の市役所から人が来て「うちの殿様をあんまりよたろうみたいにやらないで下さい」とか注文つけられちゃったりもするという。――て、この噺でお殿様の世間知らずぶりが際だたなかったら笑い取るのも難しいでしょうになあ;
 さんまは食べられなかったけど、寄席ではお土産に徳島県産のすだちをくれたのだった。これはさんまは自力調達しろってことかな?;