国立劇場大劇場にて桂文珍独演会
昨日まで寒かった癖に急に暖かい。着るものに困るじゃないか、と思いつつ国立劇場へ。
文珍師匠が十日連続でそれぞれ別のネタを披露し、毎日違うゲストも呼ぶ、という豪華企画である。私は文珍師匠にはさほど執着はないのだが、ゲストが昇太師匠なのでチケットを取ってみたのだった。
しかし独演会と言いながら、実際には出演者は結構多いのだった。
演目は以下の通り。
(中入り)
文珍師匠を生で見るのは初めてかも。見たことがあったとしても付き合いとか親や誰かに連れて行かれた折などで、おそらく自分から見に行った落語会ではない筈。
テレビのまんま、というと妙なのだけど、トークで見せる独特の間と言うか口調の流れというやつは、落語でもそのまま生きているのだった。安心して見ていられるというか。
しかし演じ方の派手さと言うか、イメージの揺さぶりの大きさという点で、真ん中に出た昇太師匠のが受けを取ってましたな。人の良さそうな気弱な動揺を示すいじられ役に見せて、突然毒を吐くあたり。
今回の昇太師匠のマクラは、何度か聞いたことのある「新幹線のホームでおばちゃんたちに囲まれた話」から、落語家とスポーツ選手の大変さの違い――落語家は頑張って汗かいても褒められもしない、身内やご近所の誇りとか思われることもない。一方スポーツ選手は選手で活躍できる期間が短い、怪我も多くて大変――から相撲の話になってきたので、ここは「力士の春」かな、と思ったのだが、古典の「花筏」へ。でもうろたえる気弱な提灯屋の様子などはいつもの昇太師匠の落語なのだった。
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