茅ヶ崎市民文化ホールにて立川談春独演会

 で、午後は久しぶりに落語で、談春師匠なんである。実は午前中の東博観覧のせいで十数分ほど遅刻したのだが、前座さんの終わりまでには席に着けた、というくらい。
 演目は以下の通り。

 <仲入り>

 やはり年末も近づいて、まだまだ不景気となると「文七元結」をやるのだなあ、と。てかあたしはなんだか、談春師匠では「文七元結」と「妾馬」ばっかり聞いてますけど! 「柴浜」とか「紺屋高尾」なんかも得意とお聞きしますが、全然当たった試しが!;
 まあ、「文七元結」が随分良かったら、これはこれでよございます。談春師匠は酔っぱらいとか、なんかに取り乱してぐちゃぐちゃになってるとこの様子がいいですな。今回だとは「棒鱈」の酔っぱらいと、「文七元結」の橋の上の文七。
 前半のマクラでは、弟子の学歴の話――最近噺家さんのお弟子にも驚くような高学歴の方々が、という――と、噺家の酒癖、またはほぼ下戸の噺家仲間での宴会の話と、亡き円楽師匠の秘めたる「狂気」について、など。で後半「文七元結」はマクラなしでいきなり親方の帰宅に入って、ややロングバージョンらしかったですな。身投げをしようとする文七に「じゃあ、もう止めねえから、俺が走って行ってからにしな」とか長兵衛が言うのに、文七はいきなり飛び込もうとしてまた止められて、「何しやがるお前は!」「死にたくないんですうー!」とかいう下りが入ったり。
 しかしまあ、引き続きこんなご時世ですから、こういう噺は来ますな。金がなくて死んじゃおうか、て人だって、冗談に成らないくらいいるんでしょうしね。きっと。勿論そこで都合良くぽんと大金くれる人が現れるわけもないんだけど、現代にも通じる、お伽噺でございましょう。