川崎市民ミュージアムにて大水木しげる展を見る

 クリスマスらしいイベントというからしくないイベントと言うか。
 なぜ今日わざわざ見に行ったかと言うと、京極夏彦氏の講演があったんである。朝九時半から整理券を配ると言うことだったが、市民ミュージアムに着いたのは講演開始時間直前で当然とっくに出払っていた。しかし整理券は座席に着けるためのものだったので、扇形階段状の座席の背後から立ち見する分にはなくても全然大丈夫だったのだった。
 で講演。元々「大水木しげる展」のイベントということで、お題はもっぱら「水木しげるについて」。まあ妖怪に関するディープな話題に入るまでにはちょっとかかったんだけれども、流石に京極氏は話がうまいのだった。「水木しげるの面白さは水木しげる本人なんです」とか、「現在の『妖怪』は水木しげるが周到に作って世の中に受け入れさせたんです」などなど、ううむそうだったのか、と感心させられることしきり。
 ただしまあ、後になって冷静に考えると、面白かったけど話半分に聞いておこうと思うことだ。なぜなら、確かに水木しげる氏は凄い人なのだろうが、京極夏彦も相当達者で周到な「作家」だから。しかも話術も巧みだ。となれば、職業としてまことしやかな法螺を吹くことに長けていないわけはないんである。
 勿論、こちらもその法螺を楽しみに講演に行ったわけなのだけどね。