「ウィンブルドン」公開になるのね

 ポール・ベタニーキルスティン・ダンストの、テニスに絡んだ感動のラブ・ストーリー――と宣伝されてるけど、そういう話じゃなかったと思うぞ
 なんでそう言うかというと、試写会で見たんである。(ここで書いてるやつ)その後全然公開の話をきかないから企画流れたかなー、と思っていたら、半年かかってようやく公開に漕ぎ着けたようなのである。
 しかしなあ、この話、純愛もあるはあるけど、どっちかってやコメディだと思うけどなあ。テニス界ではロートルでこのウィンブルドン引退試合にしようとしてる主人公が、上り調子のヤンキー小娘(試合中のマナーと男性関係については悪評高し)をひっかけて(ひっかけられて)舞い上がった弾みで思いがけず優勝争いに絡むことになり、という話。だから主人公、ヒロインも、周りの家族や友人やエージェントにしても、明るく軽く下世話な下心を滲ませている感じ。
 そういや、ヒロインが判定に苛立ってラケットで自分の股ぐらを擦ってみせる(当然テニスウェア姿である)なんてえシーンもありました。人によってはげんなりするだろうけど、私は「うむ、ヒロインの下品さが良く分かってよろしい」と思いましたね。あと試合のシーンでは、主人公の体の一部やテニスボールにスローモーションで接写して、背景の方を動かして見せ、そこに主人公のモノローグが被るという手法も多用していて、ちょっとアクション映画らしく見えたり。同様の手法はラストでちょっと驚きな仕掛けを見せるのだけど、これは割と明るくバカっぽいので、ああやっぱりこの話はコメディだったのね、と感じた次第。
 そういうわけで内容的には悪くないのだけど、なんか無理に「感動のラブ・ストーリー」として宣伝しているらしいのに首を傾げる。やっぱりコメディ映画って売り難いんでしょうかね。
 しかし10月にも書いた通り、あれに「感動のラブ・ストーリー」を期待して見に行ったら、まだぎこちないカップルなどは気まずくなって出てきそうな気がするけどなあ。
 ところで「ロック・ユー!」のチョーサーの印象がつよかったせいかもしれないけど、ポール・ベタニーって妙に映画中の裸体シーンが多いような。どう見ても世間一般的な肉体美というタイプじゃないのに、何故だ。(痩せ形長身なので贅肉がみっともなかったりはしないけど、筋肉より骨格が目立ちますな)どこぞに彼のヌードを待ち望むファン層でもあるのか。