「スターダスト」鑑賞会

 「宮崎アニメの実写」とかいうふれこみの活劇ファンタジィ映画らしいCMを見て、見に行くつもりではいたのだが、丁度映画鑑賞会企画があるので朝一で見に行ったのだった。
 でこれが、ほんとに宮崎アニメみたいでしたよ。「ラピュタ」から「空から落ちてきた少女」「特別な意味を持つペンダントを捜して奪い合う」「空飛ぶ船を乗り回す荒くれ海賊団」、「ハウル」と「千と千尋」から「変身魔法を駆使する魔女」「便利だけど使い方が難しい移動や防御アイテム」等が導入されている。物語は基本的には笑いの要素が多いお伽噺だと思うんだけど、どうもユーモアのセンスが情け容赦のない英国風の感じ。(まあ舞台はヴィクトリア朝半ばの英国と隣り合った魔法の国、なんだけども)
 主人公は結構善良で間の抜けた(というか、設定は18歳だから、一本気な若いの、ということなのかな)青年で、彼が出会って行動を共にする流れ星の美女は絵に描いたようなツンデレだったりする(世慣れてないらしき演出はあるものの、結構タカビな感じで強気)。しかしこの二人よりも、バイプレーヤーの味で盛り上げている感じ。「壁」の門番のじいさまとか(驚きの強さ!)、冒頭で既に4人になっているのが更にどんどん死んでいく7人の世継ぎの王子達(モンティ・パイソンにありそうな感じ。ちなみにキャスティングは、長男ジェイソン・フレミング、次男ルパート・エヴェレット、一番活躍する七男がパンフに載ってないなあと思っていたら、ストーリー紹介中に出ていた。マーク・ストロングだそうだ。で冒頭ですぐ亡くなる王子達よりなお邪悪な王様がピーター・オトゥール)とか、粋人なのに世間や手下には過剰に自己を演出しているロバート・デ・ニーロ扮する海賊船長とか、なにより大変邪悪で、美人なのに魔法を使うたびにどんどんぼろぼろに老いていくミシェル・ファイファー演じる魔女とか(すごいなこの人なんでもやるんだな、と)。物語の基本的な筋は割と単純だと思うのだが、映像や細部のくすぐりで盛り上げているという気もする。
 展開が早いので「こんなわけあるかい」と思いながらもなんだか結構愉しんで見てしまったのだった。あー面白かった。
 観了後は一同でエスニック料理店のランチセットを食し、「スターダスト」の他、「ボーン・アルティメイタム」はどうだとか「ソウ」の新作はまだ造るのか、このぶんだと過去に遡って「実は幼児期に戦争で酷い目にあった過去が」とかいう話を造るんじゃ、とか、そういや「ハンニバル・ライジング」冒頭の戦車と戦闘機のご都合主義的な衝突は一体なんだ、それとあんなに大きくなってからまだ孤児院にいるって、とかいう話に興じたのだった。
 私はここで失礼したのだが、他の方々の大半はこの後再び映画館に戻ってジョディ・フォスター主演「ブレイブ・ワン」を鑑賞したのだそうな。