「サマーウォーズ」を見る

　これは見るぞ、と懸案で。「セントアンナ」のチケットを買う時に一緒に買って置いて正解。結構遅い時間の上映にも関わらず満員でした。
　いやあ、これは痛快。よく動いて泣かせてじんわりきていいわ。端役のにーちゃんねーちゃん子供達にもちゃんとキャラというか設定と表情があるし、はすに構えてて取っ付き難そうだった少年やうとまれてたおじさんも最後は一丸になって立ち向かうし。何より、気弱そうな主人公が、土壇場ではちゃんと腹が据わってるあたりね。「諦めちゃったら試合終了だからね」（スラムダンクにこんな台詞があったっけ）みたいなことも言うし。
　で、多少のネタバレを含みつつ（だから畳みます）気になったことを以下に。

主人公が最終的に一人で背負うのは世界の危機なじゃくて、あのご家族の危機なのでは？；
誰も怪我などなかった様子でめでたしめでたしだけど、ああいうものが陸地に落下したら、周辺の相当広範囲に被害が及んじゃうものじゃないの？　ツングース隕石の被害とかから想像すると。（それとも大半は大気圏突入時に燃え尽きてるもの？；　あるいはあのお屋敷周辺に相当広い田畑や森林があったってことかな？；）
興奮したり脳に負担がかかったりしたからって鼻血は出るのか？　エロいこと考えて鼻血が出るのは都市伝説じゃなかったか？；（て、もしかするとこのへんがこの映画最大のファンタジーなのかも）
考えてみると、あれだけひねててご飯にも出て来ないでパソコンいじってる佳主馬少年が、実はお母さんもお腹の中に居る妹も大事に思ってて、じいちゃんのことも少林拳の師匠として慕ってる、てのはちょっと出来過ぎではなかろうか。いや、昔あたくしが同じようなことを田舎の家でやってたら、それはそれはこっぴどく人非人の如く怒られたもんでしたが。（ええもう、「今すぐここで死ね！」みたいに；）
ええと、某所で見た方々の間で議論になってたんだけど、キング・カズマの危機に捨て身のアタック掛けた烏賊忍者アバターは、烏賊釣り漁船持ってる少林拳の師匠のじいちゃんです。後のシーンで子供達に「かっこいー」「ぼくもこれにするー」とか言われてましたな。私はこのアバターを見たとき「烏賊の鞍馬天狗？；」とか思ったんですが、頭巾は忍者だったらしいです。そういやこの爺様が名調子で語る「第二次上田合戦」の「ご先祖様」というのは真田氏のことで、真田と言やあ真田十勇士ですなあ。で、少林拳なんかやってるということは、この爺様も山田風太郎あたりを愛読してたりなさるのかしら。

　――とかね。
　しかし格闘ゲームシーンとかカジノで花札のシーンとか、大変よかったですな。
　それと、あの仮想世界「OZ」のデザインは、冒頭で出て来た時から「村上隆？」と思ったのだが（だって六本木ヒルズのキャラクターにすごく似てるの）直接タッチしてはないらしい。ただ細田守監督は、六本木ヒルズのCMの、村上隆氏デザインのキャラクター「ロクロク星人」が動き回るアニメの製作もやってた方で、今回も使用済み原画を村上氏に預けてる（データソース：細田守監督×村上隆氏対談）というので、直接ではないにせよ関連はあるのだが。
　ともあれ、これは大画面で見るべきものですなあ。いや面白かった。