鎌倉・江ノ島小旅行

 お誘いがあって、鎌倉方面まで物見遊山に出かける。
 あじさいの季節とあって、結構な人出であった。
 まず鎌倉駅前の老舗喫茶店でモーニングセットとホットケーキを食す。人気店とのことで開店30分そこそこでもう20分30分待ちの状態である。まあ店内で待てたしゆっくりできたからいいのだが。年期が入っているといっても手入れが行き届いて明るいし、ちょっと見えたお庭も良さそうな感じでしたな。(それともあれは隣の敷地だったろうか?)
←年代物らしきレジスタ
 鎌倉駅前周辺で雑貨や古道具・古着など眺めて(侮りがたし鎌倉)から、江ノ電で長谷へ移動。観音と大仏を拝観する。
 と、一口に言っても、随分内容は違う。観音寺は弁財天とか大黒天とか稲荷とか同じ敷地内にまつられてるし、あじさいの名所でもあるのでただ花を見に来た人々も多いんである。建物も透かし彫り彫金や彩色絵などの施されたものだし、庭の植え込みには小さな池があって金魚や亀がいたりする。庭園としても整備して、それを見るための観光地になっている。
←庭の池
←斜面には一面にアジサイ。でもその種類も色々。
←上がって行くと見晴らしはよろしい。海の方まで町並みが見渡せる。
 一方大仏は、野天吹きっさらしの大仏があるだけ、と言ってよい状態である。大仏像の内部には小額を払えば入れるけど、本殿などに当たる建物はなし。

 大仏の周囲には国際色豊かな観光客が集っているけれども、入り口付近で"temple"とか話している白人親子に「うん、でもここ寺らしき建物はほとんどないよ」と言ってあげたくなっちゃうくらい。
 ところで歩き回って喉が渇いたので、なんでもいいから、と思って百円ショップの飲み物コーナーを見たら、ペプシのこの夏の新商品「ペプシ しそ」がある。
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 どうもこういうあやしげなものは試してみたくなるたちで、つい買ってみたのだが――あれ、意外に悪くないぞ? なんか、懐かしい味。そういや田舎で夏場に出してたりするなあ、紫蘇の砂糖漬けシロップのジュースって。ノスタルジーを刺激したら結構定番になったりするんじゃないでしょうかね。

 気を取り直して再び江の電に乗り、一路江ノ島へ。
 実は江ノ島の橋を渡り切るのは初めてである。あの橋の向こうに見えるお城のような建物は何かなあ、国道沿いで見たらラブホだとおもうとこだけど、と思いつつ近寄ってみたら、ええと、健康ランドのような温泉施設であるらしかった。
 一階部分はゲーセンとファストフードモールと露店(といっても建物の中)。手相見のおじさんに同行者が見てもらうというので、私は傍らでちゃちゃを入れることにする。ううん、線の引き方が若干強引なような気はするけど。あれは多分、見立てがどうとか言うより話術の方が芸なんだろうな。それなりに納得してしまうから大した物であります。でも見立てをメモしてくれた用紙の字はほとんど読めませんでしたが; 同行者は貰って帰ったけども、これどうしよう、て感じでした。いいのかあれは商売的に。
 健康ランドを出てエスカーの乗り場を横目に弁天堂へお参りする。と、そういえば江ノ島は猫の島なので、そっちこっちに猫がいるのだった。

 さすがに避妊去勢の甲斐あってか、数は大量ではなかったけども。ついそっちでもふもふ、こっちでごろごろしてしまう。肉付きはいいのでちゃんと食事はできているらしいが、耳のあたりにカイセンの傷が痛々しいのもいるのだった。あれは痒いんだよ。体力がなくなったら目鼻や口まで固まっちまうくらい酷いことになるのだが。
 エスカーを横目に展望台あたりまでえっちらおっちら上がって、この眺めは二時間サスベンスの終盤で犯人が自白するとこだよね、でもトンビが肉を狙ってるよ、まだ先に何かあるのかなあ、などと言いつつ遊歩道を歩いていると、反対の外海側まで出てしまう。

 うおおお、海だ、海だよ。海水浴場的なとこじゃないけど、けっこ波があって激しいよ、というのですっかり興奮してうろうろする。こんな強風のなかでもトンビは悠々と跳び回っているのである。
 そんなこんなに釣られて、階段もものともせず、江ノ島を歩き回ってしまったのだった。もう反対側についた時点で時刻は5時過ぎ、帰り道では土産物屋や食べ物屋も次々閉まっている頃合いである。日の長い季節で良かった。
 せっかくだから江ノ島はこれで〆ねば、というので、釜揚げシラス丼(生シラスはちょっと前に切れていたのだ!)と生桜海老を食して帰途につく。