朝倉彫塑館へ

 激しい雨風の日曜日であったが、ふと、朝倉彫塑館は来月から補修工事で長期休館、しかも私は来週末塞がってる、ということに思い至る。
 そういうわけで、日暮里まで出向いてみたのだった。風のせいで屋上には入れなかったのだが、彫像と建物を堪能する。猫やら兎やら犬やら猿やらよろしい。猫のポーズがいちいちリアルでよろしい。お好きだったんですなあ。書斎の遺品も堪能する。
 今回気がついたのだが、書斎の釣り竿(杖に仕込んであったという)の下に置かれていた釣り糸用の組の糸巻きは、一見石かなにかに見えたが、よく見るとどうも螺鈿らしいのだった。特定の意匠じゃなくて、全面に一見黒御影石みたいな模様が散っているのだが、どうやら青貝あたりらしい。しかも、輪っか状の糸巻きの内側もびっしりそんな柄。そういうのが大小3個ぴったり組合わされているセットが2つ。
 花とか鳥とかの意匠を描くのに比べたら細工としては楽なのかもしれんけど、全面だし。しかも輪っかの内側なんて、すごく細工し難そうな気がするんだけども; 無造作においてあったけど、もしかして結構宝物なんでは。
 しかしどっちにしても、次にみるのは多分4年後だ。補修工事は建物そのものは残すものの土台に手をいれるんだそうで、たっぷり4年かけるんだそうで。
 まあ建物がちゃんと補強されて、今公開できなくなってる木造部分もちゃんと見られるようになるなら、歓迎すべきことだけど。
 大人しくして4年待たねばなりませんよ。しばしのお別れじゃ。

 で、見終わってから日暮里方面へ戻り、途中ちょっと寄り道して夕やけだんだんの上のお店の前に居た猫をなでこしてから帰途についたのだった。だんだんの下まで行ったらもっといたのだろうか。