「ワルキューレ」を見る

 朝起きたら空は真っ暗で、やがて激しい雨も降り出して、なんだこの天気と思いつつも六本木に出かけたのだった。恒例の映画を見る会である。今回は本日封切のトム・クルーズ主演(はどうよ、が正直なところ)歴史作品「ワルキューレ」。
 や、派手派手しいCMではもっぱらトム・クルーズばかり出てますが、他の脇役陣も良い役者を連れて来てたんですなあ。当初の計画発案者にケネス・ブラナー(でも意外にこの人の見せ場少ないの。計画実行時には東部戦線に回されちゃってるから。終盤にちょこっと一人のシーンが与えられてるけど、うかうかしてるとこの人だったって忘れそうな)、主人公の上官にあたる将軍にビル・ナイ、ともに上官であるいまいち信用できない予備軍司令官にトム・ウィルキンソン、更に上官に当たる国家元首候補(字幕では「将軍」だけだったけど、パンフによると正確には「上級大将」らしい)にテレンス・スタンプという重鎮ぞろい。で、トム・クルーズの演技も抑えた感じで渋く作ってます。
 確かに計画には穴だらけで無理あり過ぎなんだけども、多分あの間抜けさも含めてほぼ史実通りなんでしょうなあ。見せ方としてはかなりうまくサスペンスをもりあげてるように思います。というのは、計画の結末がどうなるかくらいは分かってて見たんだけども、後半予備軍が動いて各所を掌握して行く流れを見ているうちに、なんだかどうにかなりそうな気がしてきちゃったんで。
 とりあえずおじさん達ががんばってかっこいい映画、という造りだったことは評価されるべきじゃなかろかと思いますよ。逆に言やあ、おじさんなんぞ特に見て嬉しい物でもないよ、という方にはどれほどサスペンスが盛り上がっても辛いかもしれませぬ。