江戸東京博物館にて玉の輿に寄る

 載る、のではない。これ↓を見に行ったのだった。

江戸東京博物館開館15周年記念 特別展「珠玉の輿〜江戸と乗物〜」

江戸時代、身分の高い女性が使用した女乗物(おんなのりもの)や輿(こし)は、蒔絵や金工など時代の粋を集めてつくられ、まさに”動く御殿”とも呼ぶべき豪華なものでした。本展は、そうした女乗物を中心とした江戸時代の貴重な乗物を一堂に集めた、これまでに例のない展覧会です。

 目玉はアメリカで最近見つかったという天璋院篤姫が使った駕籠(といっても全面蒔絵細工と彫金飾りのものすごい宝物である)らしいのだが、他にも徳川家ゆかりの金と手間と洗練を傾けた乗物が展示されていた。また、そういうご婦人達の乗物や日用品を模した人形飾りのお道具一式なども。しかしこの人形飾りがな。おそらく実際に使ってる物と同じ蒔絵装飾を施したと思しい、嫁入り道具の家具日用品一式なんである。どんな人形遊びだよ、というくらいの。日本の蒔絵の愛好家だけでなく、全世界のドールハウスマニヤがよだれたらしそうな代物で。当然私もよだれ垂らしそうになってたんである。
 まあ人形飾りとか、化粧道具や香のお道具なんてのは、以前の大徳川展や先日のjapan蒔絵展あたりにも出ていたような気がするのだが。やはりここはメインは輿ですかな。特に女乗物だと、ほんとにこれ外で動かしてたんか、というような工芸品だし。外の蒔絵と彫金細工だけじゃなくって、内側には源氏物語とか花鳥とか、華やかな絵が前後左右天井に描かれてるし。でかい、細かい、華やか、豪華、のインパクトで、よくもこんなもの造る金がありましたね、という。いや芸術としての価値は十二分に認めるものだけど、うかうか道で見かけたら庶民はうちひしがれたんじゃなかろか、と思ったり。(まあ、そんなものじろじろ見たら、怒られるじゃすまなくって、下手すれば首が飛んだろうけども;)
 とはいえ、こういうものがちゃんと残ってるのはありがたいことではあります。
 一通り見て、さて図録買って帰るかな、と思ったら、前述の獣医の支払いで現金がほとんどないのである。ここは確かカード払い効くよな、と思っていたら、特別展のショップでは1万円以上の購入でないと使えないとのこと。
 やむを得ず、図録への思いを絶って帰途についたのだった。いいんだ、展示作品の一覧は貰ってきたし。どうせあんなの、大徳川展とか他の似たような展示の図録見たらきっとそこにも載ってるんだ、くやしくなんか、ないやい。ふんだ。