新宿ゴールデン街劇場にてピーチーズライブ秋「監獄タッ譜」を見る

 歌舞伎の後にこれかい、と自分でも思わないでもないが、偶々お友達が行く予定だというのを知ってご一緒させて頂いたんである。「物見高いにもほどがある!」とかも言われたが、見てみられる機会があれば行けるだけ行っておこうというさもしい根性なんである。生タップのライブが見てみたいとは思っていたし。
 しかし、タップのライブがあるという情報はいただいたものの、ぱっと行って入れるんかい、という不安もあったのだが、当日券がどのように出るかも分からないから、とりあえず行ってみろ、という感じだったのだった。で、そうか、というので歌舞伎が終わった後、ともあれ新宿ゴールデン街へ駆けつけたのだった。――まあ、辿り着いてみて大変に納得したけども。
 さて、ライブ。タップがメインの演目というよりは、コント要素の方が大きい演劇に近い感じではありましたな。まあタップを踏み続けるのは体力的にも相当に大変なんだろけど。
 しかしそれより何より驚愕だったのは、メンバー(特にパイナポー武井氏、かな?)のピアノ(キーボードだが)が巧いこと。冒頭でショパンの「別れの曲」なんか弾いて、そのあたりではまだ「ほほー」くらいだったんだけども、後半にかかったあたりで連弾でやった「チュニジアの夜」が、このジャズピアノはプロか?というくらいで。まあこの「チュニジアの夜」は、連弾を含めて四人が入れ替わり立ち替わり、途切れることなく弾き続けタップを踏み続けてつないでいく、というのが愉しい演目ではありました。工夫してきたな、という感じ。
 しかし愉しんだんだけども、一貫したストーリーのある演劇(ミュージカルかな?)仕立てにするにしても、タップをメインに据えるなら、これだけ頭数がいるんだから演出を工夫のしようもあるような気がするのだが。会場の広さ(舞台の狭さ)による制約もあるかな? 大人数が一度に踊ってたり、掛け合いになったりするのは確かに華やかで楽しいけどね。
 ところで、途中「口パクアイドルユニット『シュー・チシン』」のメンバーとして登場した三人の内、真ん中の方が妙にプロ度が高いような、と思って見ていたら、ゲストとして出演されてたタップダンサー/振付師の藤川誠氏とのことであった。劇中には藤川氏のタップダンス教室のコーナーもあり、その中で「右足5年、左足10年、両足揃って15年、顔上げて20年」(ちょいうろ覚えですが;)とか仰っておられたのだった。で、実際子供の頃から踊っておられるような方は、その修行の道を地で行っているらしいのだった。
 むむう、タップの道も奥が深い。