東京大学総合研究博物館にて「鳥のビオソフィア――山階コレクションへの誘い」展を見る

 これはいいぞ、という噂をしばらく前から聞いていたのだけども、結局行ったのは最終日だったのだった。
 ついでに言えば、東京大学総合研究博物館も遠かった。いや、サイトの地図・アクセスページを見れば丸の内線本郷三丁目駅が一番近いって分かってたはずなんだけども、なぜかふらふらと南北線東大前駅に行ってしまったのだった。お陰で東大本郷キャンパスを端から端まで移動するはめになりましたよ、くすん……;
 それはさておき、山科コレクション。
 わあい、化石やら骨格やら骨格レプリカやら剥製やらがいっぱいでしたよ。猛禽類やらハチドリやらのコレクションも結構な個体数で並んでましたが、奥に行ったら、古い研究機関の標本室そのままのしつらえになってる展示室がありましたぞ。古めかしい戸棚から幾つか半ば出された引き出しには、それぞれ、羽を畳んだコンパクトなポーズにまとめられたインコ等の剥製が、それぞれ同じ種ごとに分類されて7、8個体ぐらいずつ並んで収められている。(あれ山科研究所から運んできたのかなあ。それとも東大のコレクションの収蔵スペースをそのまま利用したのか)まさしく鳥類限定ヴンダーカマー。……まあ、これ全部、鳥の死体なんだけどね。
 しかし結構年期入ってると思しいですが、きれいに作って保ってあるものが多かったですよ。羽毛の光沢や色彩も鮮やかなもので。途中には世界各地の鶏の品種だけをずらりと並べた部屋があり(や、並べてみるとほとんど同種とは思えないようなバリエの多彩さ)、一番奥は、比較的大型の各種鳥類の骨格と剥製を大型ガラスケースで見せるという部屋でした。ダチョウは骨格のみでしたが、皇帝ペンギンイワトビペンギン、オオハシが何種類か、ツノメドリにアホウドリ(これも相当でかい)、白ふくろうにキーウィなんかもおりましたな。
 惜しかったのは、これだけの展示ともなると、図録が欲しいなと思うところだったのだけど、図録も展示品目録すら全然配布も販売もしてなかったのでした。まあ大学の展示室の企画としてはこんなものか、とは思うけども、ちょっと残念。
 サイトには展示会場写真なども掲載されているけども、これをずっと置いといてくれるかどうかが不安……; せめてどっかにリストだけでも残しといてくれんものか、と願うばかりですが。

 山階鳥類研究所は、以前紀宮様(現黒田清子様)がお勤めだったと言うほかに、現在の総裁は秋篠宮殿下なんですな。そういや展示品の中に「秋篠宮家より寄贈」というのがあったような。そういや秋篠宮家では、魚や家禽をたくさん飼育しておられると聞きますね。