はまぎんホールヴィアマーレにて柳家花緑独演会『花緑ごのみ』を見る

チラシ表チラシ裏
 花緑は、以前どこかで生で見たような気がするのだけども、独演会は初めてである。はまぎんホールというのも初めてなんであるが、みなとみらいの手前のあたりにあるのだった。
 行ってみると思ったほど大き過ぎもせず、ホール落語には丁度良いくらいではなかろうかという規模であった。ただ、後から遅れて入場してくる客があると、入り口から客席脇の通路で妙に足音が響くのが気になったけども、まあそのくらい。

 さて開演するというと、前座なしでいきなり花緑師匠が出たのだった。この方の高座というのは客席の反応を受けながらコミュニケーションを取って進めるというのを旨とするらしく、前の方の席の年輩のお客さんから「小さんの孫?」とか訊かれると、お祖父様の柳屋小さん師匠についてひとしきり話したりする。前方中央の座席に遅れてきたお客さんがいたりすると、「どうぞ、いらっしゃいまし」なんてってちょろっといじったりする。
 で、驚いたことに、客席から突然「花緑さまー!」なんてえ女性の声が掛かったりしたのだが、やや怯んで照れた様子ながらも「ソウルから来ました」なぞと切り返したのは「ヨン様」を意識してであろうか。咄嗟にはちょっと分かりにくかったかと。(で、今後は「花緑さま」で行くのかのう)

 演目は以下。

  • 宮戸川 お子さんもおられたことで上の濡れ場抜きで。お花のおばさんが「平壌にいる」というご無体な設定にしていたのは何故だろう。
  • あたま山 「前にアニメにもなって賞取ったりしましたが、無茶な話です」という前置き付き。むぐむぐ言いながら欲張ってさくらんぼを食べるとことか、隣の婆様の頓狂な感じなどがよろしいですな。婆様は登場した途端に会場の子供の笑いを取っていた。

(中入り)

  • 出来心 羊羹を囓るとこなどがよろしかったですな。この方、食べる動作巧いんですねえ。ちょいとお行儀悪いけども、美味しそうに見える。
  • 竹の水仙 何故か宿屋の主人が「なにそれ。わけわかんない」など、突然イマドキの若者言葉になっていたりするが、まあ甚五郎の大人らしいゆったりした感じがよろしい。