東京藝術大学美術館「金刀比羅宮 書院の美― 応挙・若冲・岸岱 ―」を見に行く

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 台風一過の快晴で久しぶりに暑くなった中を出かけて行く。朝日新聞をはじめそっちこっちで宣伝してたせいで、行列ができる混みようであったが、それに合わせて開館時間を30分延長してくれていたのだった。
 この展示の最大のポイントは、会場を元々の部屋と同じ大きさに仕切って、襖絵を元々の配置のまま、場所によっては裏側もちゃんと見えるように展示してある事なのだった。
 やあでも、見てみるとほんと、この展示じゃなきゃ駄目だってわかるわ。ここの襖絵って、ほとんどのどれも、箱庭みたいに周囲360度の景色になるように描いてあるんだもの。
 個人的なお目当てというか一押しはやはり応挙の虎。いやあの、応挙だからむちむちだろうとは思ったけど。こいつら全員脚がサリーちゃん。太短い。しかも耳がちっちゃくて目がでかくて丸いから、君らスコティッシュフォールドかよ、と。
 応挙は虎の実物見た事なかったという話だけど、猫なんか参考にして描いてるうちに、つい萌え絵になっちゃったよ、というとこじゃなかろかと。子犬みたいに。
 岸岱は知らなかったんですが、なるほどよかったですね。柳とか草花とか蝶々とか(蛾もかなり混じってたようだが;)でさわやかで。このお座敷でこの風景を眺めながらぼーっとしてみたくなる。
 しかし一間分だけ来ていた若冲の「花丸図」が、また格別に楽しいのだった。お花図鑑ですよこれ。かなり写実に描いてあるし。ああずっと眺めていたくなる〜。
 金刀比羅宮のお座敷っていずれもこんなの? と、思うと、相当贅沢な造りらしいので気になりますな。行くべきなのか、金比羅様。
 さて、時間は迫っていたのだが、同じチケットで見られるというので、ついでに「芸大コレクション展: 歌川広重《名所江戸百景》のすべて」を見て行く。――というか覗いて行く程度。だってほんと展示点数が多いんだよー; あうあう、勿体ない事を。
 折角だから、金刀比羅宮と広重と両方の図版を購入し、更に売店で花丸図のクリアファイルと、つい誘惑されて金比羅狗を買ってしまう。やあ、こういうものに弱くてですねえ。ほくほく。
 ――でも、応挙の虎のフィギュアとかあったら、もっとよかったかなっ、と。