東京都美術館にてオルセー美術館展を鑑賞する

オルセー美術館展看板

 かねて印象派関係の展示が良い、という評判を聞いていたのだが、結局出かけたのはこんな会期も終盤に迫った時期になってからなのだった。
 オルセーは収蔵品もだが、何より器の素晴らしい美術館であって、器と展示方法の素晴らしさは日本に来て見せてくれる移動展では再現のしようもないのだけど、ちょっとでも伺い知ることができまいか、と思って出掛けてきたのだった。
 私がオルセーに行ったのはかれこれ十数年前のことだ。学生向けの詰め込まれた欧州諸国パックツアーでパリにも回ったため、折角だから見てこよう、というので足を向けた。(年がばれそうだが;)
 でも思えばあの頃は、オルセーなる場所が何物だかほとんど知らなかったのだった。印象派の画家達の名前は知っていても印象派の特徴をちゃんと分かって見てなかったし、なんとなく綺麗なあのうねうねした様式が「アールヌーヴォー」であることも知らずに写真を撮りまくったりしていたのだった。
 ――今回の展示には、アールヌーヴォー工芸はほとんど来てないのな。まあ膨大なコレクションからピックアップするというと、何かしっかりした柱になるコンセプトが要るだろうし、それが今回は印象派の画家達、だったのだろうけども。

 (詳細は後ほど)

 出て駅の方へ歩いて帰る途中、路上に落ちていたビラの活字で、能登で大きな地震が起きた事を知ったのだった。