SF大会2日目・前田建設ファンタジー営業部

 さて何を見よう、と歩き回っていたところ、面白そうなので吸い込まれるように入って堪能。
 何せ造る物が(見積もりのみにしても)銀河鉄道999の新東京メガロポリスステーションの発着用高架、なんですから。ええ、あのオープニングで虚空に向かって斜めに延びてる奴です。
 まず、構造についての正確な資料が満足になかったとのことで、高さや長さが分からない。発車から飛び出すまで、走っている時間から割り出せないか、などとも考えたらしいが、実際にはあんまりにも短い時間で通過してしまうので(まあ番組の構成上の都合ですね)算出できず。
 結局彼等は驚くべき方法で高架最上部の高さを決定するのだが――これについては今度出る御本に譲るべきかな。結果として地上約100メートルとして計算するんですけどね。
 他にも、「『さよなら銀河鉄道999』で壊れかけて鉄筋が飛び出してるから鉄筋コンクリート製!」とか、何に使うか分からないけど画面からこういう飾りが付いてるからこの構造、とか、999本編の設定はかなり正確に踏襲しているそうな。
 で、100メートル程度なら、大きいは大きいけど現実に存在する例もある建造物の規模なので、技術的にそんなに難しくはないレベルとのこと。ただし実際の高架橋となると、共振の影響を考慮しなきゃならなかったり、上に車両が走ると重みでレール部分は撓んで沈むため、乗り心地のためにはあらかじめ沈み分を考慮して盛り上がった形の構造にしておく、とかいった要因が多々存在するのだそうで。レール部の構造の相談のためにJRの技術系の偉い人に会いに行く話など、なかなか微笑ましくも興味深い。
 こういう説明の合間にも、ちょろちょろとマニアックなくすぐりがあって、観客一同大変に喜んだ楽しいレポートでありました。999高架部分の説明の結びは、「あなたの家からアンドロメダへ」充分な土地と、およそ37億円だかの予算(基礎工事分含まず)さえあれば、高架建設は充分可能なんだそうです。
 ただし、アンドロメダまで行ける999の機関車はまた別の話。この高架の傾斜、最終的にはアニメの画面に分度器当てて測ったそうですが、こんな上り坂を走れるのは999が凄い、というのが建設側の見解だそうな。