SF大会2日目・アートショー

 なかなか面白かったが問題もあり。
 中身は面白くても配置や案内がちょいと地味なんじゃないかな、というのがまずある。会場を入ると、入り口正面には長さ数メートルほどのエンタープライズ号立体模型が。おおおお。そして右手パネル展示エリアには、金森達氏のカラー原画展示が。(即売会でもあったらしい)おおお、小さい作品でもあたくしどもの世代にはなんだかノスタルジーがこみ上げる。スター・トレックに嵌っていた人々は言わずもがな、「もしやこの方は光瀬龍作品や眉村卓作品の表紙/口絵を描いておられたのでは」とすぐ気が付く。おやなんか見た絵が、と思えばクリフォード・D・シマック著「都市」表紙絵だったり。懐かしいのう。今を去ること20年くらい前にむさぼり読んだものでありますよ。(げほげほ、都市が、もとい年がばれる)

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)

 そのエリアの奥にあたる区画では、モニタ置いて過去のオープニング映像作品を流していた。ははあ、今回のオープニングの講評で出た「タイポグラフ使った奴」とかいうのはこれか、と楽しく眺める。残念ながら問題の「女の子が水の入ったコップを持って」というやつは、私が覗いている間には見られなかった。
 会場の一番奥の壁際には、今回の大会のテーマであるヴェルヌの本各種と、ゲスト・オブ・オナーお三方の御本が並べられていた。こうして並べられてみると、意外とヴェルヌも読んでないんだなー、と感じることしきり。「十五少年漂流記」や「月世界旅行」を代表にほのぼの健全な冒険活劇路線かのように語られることのあるヴェルヌだけど、「海底二万マイル」のネモ船長の人物造形とか、あるいは「悪魔の発明」なんかも書いてるところを見れば、意外にディストピア物傾向だったり。
 ところで、会場入って左手には、専門学校の生徒さんの漫画作品や、一般からの展示応募作品が掲示されていた。
 絵として面白い作品も確かにあったんだけども、これはちょっと、玉石混淆の感は否めない。応募されれば何でも掲示したんかい、という感じがね。もうちょっと展示作品も選んで、最終的な展示を1点2点に絞ってでもクォリティ上げた方が良かったんではなかろうか。