国立科学博物館にて特別展「翡翠展 東洋の至宝」

 実を言えばこれを知ったのは年末の五代ゆう氏の日記なのだった。(とはいえ五代氏は結局観覧しておられないのである)
 日本では縄文、弥生、古墳時代奈良時代にかけて勾玉等の加工品が製造されているので、考古学的な出土品として、というのと、鉱物としての翡翠という石の性質の展示(だからかなり固い話ではある)、そして最後に古美術品/現代の装飾品としての宝飾品の展示が並んでいる。
 秋にバチカンなどでさんざん宝飾品をみたもので、もうしばらくこの手のものには気持ちが動かないかも、と思っていたのだけど、これは結構見ごたえあり。宝飾品で有名なのは緑色や白のものだけど、紫色や茶色やかなり黒っぽいものもあるのね。元素の混じり具合とか鉱物の組成の違い等で色々な色目がでるそうで。
 質の上では劣るのかもしれないけど、直径数十センチの翡翠の固まりなんてのもいくつも展示されてるし、加工品の方でも、翡翠を削りだしてつくった白菜なんて、あの葉っぱのふわふわしたプリーツさえも執拗に再現されていたりとか。まあ翡翠は貴人の持ち物に使われる事の多い品物だから、良い石を使うとなると相応の細工も施そうというものだろうけどね。
 図版を購入し、ここは何か石も欲しいなあできれば根付けかなんか、と思ったけれども、流石に良い石や良い細工はお値段も良いのだった。いつか一生ものの、でも持ち歩けるくらいの渋い根付けを持ちたいものだのう、と思う事だけども、そういうものを一万二万で探そうと言うのがそも間違っているのかもしれない。
 とりあえずマスコット大の白地に緑斑の石を買って帰る。まあ当面はこんなものか。