「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を見る
ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞の評判も高く、これは見ておきたかったのである。「ディファイアンス」も気になったがこちらは封切り直後だし、まだ見る機会があろうかと。
ストーリーは宣伝等々でかなり語られてるし、生涯の物語を綴ったらそうなることは分かってるんだけども、それでも味わい深い、上質のお伽噺であろう。タイトルは「ベンジャミン・バトン」だけど、「数奇な人生」として語られてるのは主人公ベンジャミンだけじゃないような。
彼と関わっていく人々の物語――関わり合わない、冒頭の「南部一の時計職人による大時計」の挿話もあるが――や、印象的なイメージの断片が、モザイクというか綴れ織りのようになっている。端役にもそれぞれドラマがあり、二十世紀アメリカ〜欧州の時代の空気を描いている。
メインの物語もいいんだけども、この話は見直して味わい直すシーンがたくさんありそうな気がするな。ちょっと思い出すだけでも、気になるところがいくつかあるし。(代表的なところだと、ハチドリ、とか)
そういや「フォレスト・ガンプ」との共通点を挙げてるレビューもいくつか見かけましたな。「一期一会」なのは共通するし。しかし「フォレスト・ガンプ」をテレビでちょっとずつしか見てない私が思いだしたのは「海の上のピアニスト」だったりした。捨て子で始まって船に乗ってるせいかな? あれも風変わりな人生を送る男性の物語ではあったし。
ところでフィッツジェラルドによる原作はものすごく短いらしいので、この映画は時代背景を考慮していろいろと膨らましているとのこと。映画とタイアップでか、原作本も出てるけども、多分あんまり参考にはならないんだろな。いや、読むことで脚色の手際が余計に分かりやすくなるかとは思うけど。
- 作者: スコット・フィッツジェラルド,都甲幸治
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2009/01/22
- メディア: 単行本
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- The Curious Case of Benjamin Button by F. Scott Fitzgerald(ManyBooks.Net)
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以下、余計なこと。
- ケイト・ブランシェットは大変綺麗なんだが、このひと、ブラピとフィンチャー監督とは「セブン」でも共演してなかったっけ、などと思ってしまった。「セブン」でブラピの妻役だったのはグウィネス・パルトロウです; 要するにああいう顔立ちの女優さんの見分けがついてないのだ;
- 6歳だかのディジーを演じたエル・ファニングはダコタ・ファニングの妹なんだそうです。へー。いや、お姉さんがあれだけ名子役と名高いと、それはそれで大変かもしれませんが。――ああでも、3歳にならないうちに「アイ・アム・サム」でダコタねーちゃんとも共演してるということは、芸歴はちゃんと長いわけだ。ちっちゃいうちから大変だ;