「WALL・E/ウォーリー」を観る

 初詣のあと、その足で某ショッピングモールのシネコンへ。映画の日ファーストデーだし、これは観ておかないとですね。
 時間帯の関係から吹き替え版になったのだが、主要なキャラクターはほとんど台詞がないというのでまあいいかと。画面中の書き文字(「アクシオム艦長に届ける」とか「外来の汚染物質」)まで日本語訳されてたのは予想外でしたが問題なし。
 や、しかし評判に違わず愉しかった。イヴの宇宙船が来るまでのウォーリーは相当に寂しい機生だったと思しいのだが、イヴと関わりはじめてからはシャイで不器用な(そして間抜けな)男の子のようになってしまうし。
 しかしその不器用さ加減はアクシオムでイヴが機能し始めるとコンビ漫才のボケ役になっちゃうのだが。いや、いい奴なのは分かる。わかるんだが、警備ロボットから隠れてる最中にイヴの「手」を取りたくてもじもじしてるとこなど、「こんなときに萌えてんじゃねえっ!!」とツッコミ入れたくなっちゃったね;
 しかし考えてみると、イヴがつるっとなめらかなフォルムだから「女の子」の役割を当てちゃっただけで、彼等はどっちも女性でも男性でもないんだよなあ。物語自体は「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ガール」の定型だけども、どっちがボーイでもガールでもいいわけで、どっちもボーイでもいいわけで、げふんげふん。<ああ爛れた大人っ。
 アクシオム艦内の人々の変容や、地球への帰還プログラムのその後については色々とツッコミ所もあるのだけど、変容については、おそらくあれは「その方がシステム側として管理しやすい」形へ誘導された結果なんじゃないかな、という脳内補完をしておく。帰還プログラムについては――ま、ほぼうまくいかないんじゃないかという気はする。結局、地上に係留したままのアクシオム内部に留まって一生を送る人がほとんどになるけども、長年の間にはたまに変わり者も現れて外へ出て行ったり、あるいは艦内の諍いで追放されたりして外で暮らさざるを得なくなったので、また数百年だか数千年かけて緑化を農地化を進めた、というあたりじゃないかな。