ミューザ川崎シンフォニーホールにてヨーヨー・マ チェロ・リサイタル

 川崎駅前のミューザにて、ヨーヨー・マのチェロと、キャサリン・ストット氏のピアノによるデュオのコンサートであった。仕事を定刻で上がって移動したのだが、都心から川崎は意外に近いのだった。
 ヨーヨー・マも、一度聞けるときに聞いておきたいよな、とかねて思い続けていたのだが、このたびようやくチケットが取れたのだった。今回の日本ツアーは、大阪と、日曜夜に東京はサントリーホールと、平日の夜にこのミューザ川崎、というスケジュールだったのだが、サントリーホールはあっという間に完売だったらしい。私も第1希望で申し込んでいたのだが、惨敗。まあ週末だしね。サントリーホールだしね。ミューザも悪いホールじゃないと思うんだけど、サントリーホールは特に評判が高いようだし。(まだ行ってみたことがないのだ。)
 で、今回の席は半端に安いC席だったのだが、行ってみて驚いた。ミューザ川崎のシンフォニーホールというのは、円形のステージを取り囲むように、奏者の背後、ステージとパイプオルガン(が、あるんだここは。バブルの頃に入れたのかしら;)の間にも階段上の座席が数列ほどしつらえてあって、今回の私の席はこの背後部分からかぶりつきという位置だったのだ。野球で言えばバックネット裏から観戦みたいな具合である。(いやその例えはどうよと自分でも思うけど;)
 そういうわけで、ステージ正面に座ったヨーヨー・マ氏の姿は、後ろやや上方から見下ろす感じになったのだが、その後ろに据えたピアノに向かうキャサリン・ストット氏の横顔は大変良く見えたのだった。マ氏が演奏の盛り上がりに連れ、伸び上がってストット氏の肩越しにピアノに置いた譜面を覗き込むなどもよく見えた。(私の位置からは良く判らなかったが、どうやらマ氏の前には楽譜を置いてなかった様子。)
 演奏曲目は以下の通り。

(20分休憩)

  • ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
  • ジスモンチ:ボーダス・ヂ・プラタ(銀婚式) 〜クアトロ・カントス(4つの歌)
  • フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(チェロ用編曲版)

(アンコール)

 最初のシューベルトあたりは大変優美に、どこが音の繋ぎ目なんだかわかんないよ、というような滑らかな演奏をしてたのだが、ショスタコピアソラ、となると、顔を上気させた様子で、髪振り乱して激しく妖艶に弾きまくったのだった。
 しかし、シューベルトが終わったあたりで、どうも弓から2,3本毛が飛び出して見えたので、シューベルトの間でもなんかえらく酷使してはいたらしい。(あるいは何ぞのアクシデントかな?)休憩じゃないはずのとこだが、ショスタコに入る前にいったん袖に引っ込んで、弓を替えた様子だった。

 それはともかく、演奏は流石によかったですな。もうね、観客も大喜びですよ。休憩時間にプログラム買おうとしたら、二階ロビーではあっという間に売り切れてましたし。慌てて一階の売り場に回って、無事に買えましたけども。
 しかし、終わってから出るまでの移動中に、近くの見知らぬおばさま達の会話を聞いてたら、「アンコールのモリコーネが一番良かったわ」。
 ……まあ、わかりやすいけどね、映画音楽って; あたくしも"Playing love"は好きなんで(サントラ持ってるんだよ)、ちょっとうるうるしちまいましたけどね。

 この辺↓を買ってみようかなあ、と。

ヨーヨー・マ・プレイズ・ピアソラ

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プレイズ・モリコーネ

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