葬儀〜家族の肖像

 鄙びた町の温泉宿で一泊して、朝から豪勢なごはんを平らげて(いや豪華な物が出た訳じゃなかったけど品数は多かったのよ、美味しかったし)から、早々と喪服に着替えてお棺のある本家へ行き、故人との最後のお別れをする。もうお返事もないのだが。(あったら拙いか;)
 そうこうする間にもあんな身内やこんな身内や身内やらご近所さんやららしき方々が現れる現れるのでご挨拶とか近況報告とか近況伺いとかつまらないものですがお土産でとか今日の予定はとかその礼服はなんか変じゃないかおかしいなオーダーメイドなのにとかお坊様に出すお茶用意しないととか座布団足りるのかとか座卓は置くか除けとくかとか香典どうするとか数珠は持ったかとか誰それはどこ行ったとか他に誰が来るとかええと失礼あれはどなたでしたっけとか何時に迎えに行くとか車は足りるのかとかつたぱたつたぱたしていると、お坊様が来てお経を上げてお焼香して、あれよあれよという間に出棺となる。
 ところで最近の焼き場という奴は相当に綺麗な造りになってるんですなあ。ロビーといい待合室といい、ホテルか結婚式場かという感じだし、炉の扉なんかもエレベーターみたいでしたよ。町営か第三セクターかなんからしいですが。
 ともあれ、年の割にしっかりしたご遺体で、お骨もしっかりしていて、身内もご存知の方々もよくお集まりで賑やかな良いお葬式でございました。でも身内の付き合いはちょっと地味に気力体力を使うことだわ;