パクチーと白痴くらい違う

 与太はさておき。
 池袋にて宴会があったのだった。某所のオフで、総勢約20名弱でタイ料理屋に繰り出した。ちょっと晴れ間が出たとはいえ蒸し暑い陽気のなか、皆様よく集まったことであった。
 集合場所で立ち話をしていると、「つまらないものですけどプレゼント用意しましたのでどうぞ」という話しておられる方が居た。なにつまらないものなど渡すな、素敵な物です、って言やいいのだよ、で何をお渡ししたのだね――と首突っ込んで見せてもらうと、小さいながらも大変に手の込んだ1対の小ぬいぐるみ(お手玉かなんからしい)なのだった。幅5ミリくらいの模様もちゃんと別布を接ぎ合わせて作ってあり、バランスがとれて愛らしい。贈られた方も大変お喜びで、じゃあぶつからないように、こう互い違いにして包んでしまっておくねー、と言う。
 と、そこで私が「ああ、このポーズはあれですね……いや」と言ったところ、「言わなくて良いから!」と釘を刺された。「なにを考えたんですか?」と訊き返したが、言わなくて良いような何を考えたのかは教えて貰えなかったのだった。ふふふふん。
 などということがあって、ぼつぼつ時間になったので宴会会場のタイ料理屋へ移動。行ってみるとその店は、田舎の集会場というか公民館の談話室みたいなつくり(ええと、なんとなく理解してください;)に地図とかタイのお札が額に入ったものやら民芸品やらがチープかつエキゾチックに飾られているところであった。なんか懐かしい感じがするよ、タイ行ったことないけど、きっとこんなんなら田舎の宴会でくだ巻いて寝ちゃううちの身内のおじさん達と同じノリの人々だよ! と言う感じのところだったのだった。
 みんなしてとりあえずシンハービールとかココナツジュース(ココナツミルクではない、ココナツの中身の透明なジュース。ほぼ甘味のみ)なんか頼んで、おもむろに料理メニューを物色する。炒め物とか春巻きとかタイ風ソーセージとかタイ風のダックとか、色々とメニューは豊富なのだが、如何せん知っている物が少ない。とりあえずこの店をご存知だった幹事さんのお薦めを食べてみる。そのうちだんだんみんな辛味に慣れてきたり酒の力も手伝って大胆になってきたりして、なんだか分からないメニューにも果敢に挑戦する、というご無体なことになっていった。幸いにしてどれもちゃんとおいしかった。頼んだのと違う品が来たような気がしてもそれはそれでおいしく頂いたのだった。「なんかこれ、見た目がアレな割に悪くないわ」「アレってなにさ」「えーと…………とか……;;」なにそんなものを、と言いながらみんなで回してつついたりするのだった。つくづくご無体なことだ。
 しかしそんな状況で食べたものだから、食べたのがなんだったのかほとんど憶えていないという問題もあるのだった。えーと、とりあえず春巻きとトムガーガイ(ココナツミルクベースの辛味酸味スープ)は旨かったですな。あとなんか焼きそばとか。にんにく風味がきつかったりもしたけど、タイ風ソーセージなんてのはそれはそれでおいしかった。でもあれはソーセージと言うよりは魚肉っぽかったし荒みじん切り肉と野菜の寄せものみたいでしたがな。
 しかし、すっかりおいしくいただいてから気が付いたが、今回は料理の写真を撮り忘れていたのだった。あああ;
 次に行ったらまた前に何頼んだかすっかり忘れて、最初っから試し直すことであろう。