「秘密〜The Revelation〜」第一回「脳と旅する男」を見る

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 こんな作品もアニメ化するのねー、と期待して見たんだけどなあ。
 なんか変な脚色入れて設定変えてるし(天地が青木より前から第九にいるのはありとしても、変な先輩風ふかせるとか、青木にやたらと色々特技があるとか)。変な安い情感盛り込んで、べたべたしている。山場の台詞なんか特に。
 で、あれだけ原作にいいエピソードがあるのに、初回っからわざわざオリジナルの話持ってくるってなに。しかもこんな話。
 何を狙ってわざわざこんなにいじっちゃったのかわかんないわ。絵柄も色調なんか変にマットな質感になってて(アニメの絵ってこんなもんだ、と言うかもしれないが、近年のはかなりかっこいいのがいくらでも出てますからね)原作の絵のファンも引きそうだ。(だいたい蒔のあの垂れ目は?;)
 しかもなんというか。原作の「腐」の要素を、妙に強調してないか?;; それも明後日の方向に。
 つい先日、原作最新刊を入手して、やっぱりいーわー、と思っていただけに一層辛いわ、これは。
 ……来週からは、どうしようかなあ……

秘密 4―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

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#追記。
 今回のオリジナルのストーリーだが、原作の清水玲子氏だったらどう料理してたかな、とちょっと勝手に妄想する。今回の話は、清水玲子作品にしては、一言で言ってぬるいのだ。グロも吐きそうな怨恨や異常性も出てこないし。(脳みそイメージは出て来るけど、それは毎回のはずだし)
 TV的にグロは控えるとしても、心情のどろどろした部分は加えるべきではなかろうか。原作者なら、良い話と嫌な話をもうちょっと盛り込んでるんじゃないかと。ええと、例えば、加害者の男が山で遭難したというのは、実は被害者、またはその夫(か二人でか)が仕組んで殺そうとした、とか。これだとおそらく被害者の犯罪は時効が成立するものの、十数年振りに現れた加害者は恐怖/不安の源でしかない。さらに夫が共犯/秘密を共有する者だったら、幸福な生活を送りながらも、お互い愛情よりも秘密のために結婚したのでは、という疑心暗鬼を抱えることになる。本当に愛情があれば、その不安とジレンマはなお一層強まろう。脳を他人に見られたくないわけだ。
 ――と、このくらいは被害者のフラッシュバックとセリフの一部を変えるだけで出来そうだけど。
 まこれはこれでベタな一妄想例に過ぎないけども、何にせよもうちょっと手間かけて脚本や演出を練っても良かったんじゃないかなあ、と思うことしきり。なにしろ初回なんだし。つかみは大事だろ、と。
#それと、架空の設定とは言え「MRIスキャナー」ってそういうんじゃないと思うのだが。一応「MRI」だし。それとも、医療機器のMRIとは全く略の原語が違うのか?