東京都美術館にて「ルーヴル美術館展―フランス宮廷の美―」を見る

*別サイト:朝日新聞社のページ
 かねて行こうと思っていた展覧会だが、暖かくてお出かけ日和だったもので。上野も桜が咲き始めていたようですぞ。まだお花見向きの開き具合じゃなかったですが。
 さて、「ルーヴル展」と言ってもルーヴルも広うございます。展示品によっては行くのを考えるとこだけども、今回のは絵画よりも近世以降の工芸品が多いと聞いて、わくわくしながら行ってきたのだった。
 で、会場。幸いそれほど混んではいなかったので見やすくてよかったが、細かい細工のお道具類が多かったもので、どうしても見るのには時間がかかるのだった。いやだって、ひらひらした花飾りとか花綱とか飾り彫りとか象嵌とかミニアチュールとか。こういう細工は好きだけども、こっちはどうなってるのや、とケースにへたばりついてみても、やっぱりあんまり見えないのだ; 裏側や下側の絵も見えるようにと、透明アクリルの台に乗せたり反対側に鏡を置くなど工夫はあるのだが、小ささ細かさはどうしようもないのだった。
 むう、それにしても、どうしてこの時代の家具調度類はこんなに装飾過多なのだ。中国とか日本とかから伝わった陶器や漆器でも、わざわざ金銀の装飾金具付け加えてるし。部分部分を見ると綺麗で愉しい造形ではあるが、てんこ盛りにしすぎな感じ。そういう流行だったんだろうけど。これに比べたらアール・ヌーヴォーなんかまだしもすっきり洗練されてるぞ――などと思いながらも、気になって見て回る。金が掛かっている物にはそれなりの拘りがあるはずだ、という気がしているので。(や、ない場合も、拘りが成功してない場合もある、らしいけどね;)
 そういうわけで、最後の方を回る頃にはやはり閉館時間が押してきているのだった。
 まあいいんだ、図録買ったし。――しかし図録の拡大写真で見た方が分かりやすくて綺麗だったりする。部分拡大写真にしただけで、全然印象違うし。これはなんだか、とても不条理な気がする。