本日はお日柄も良くボーズ日和

 築地本願寺東京ボーズコレクションなるものを見に出掛ける。
 見に、というのも不謹慎かもしれないがイベントのコンセプトがコンセプトですんで。サブタイトルが「虹を翔るお坊さん」ですぜ。このポスター絵から何か違う方向性を感じるのはあたくしだけか。
 しかし世の中には信心深い人も物見高い人も多いらしく、会場である本堂の中はたいへんな人混みであった。
 天台宗真言宗、浄土宗、浄土真宗曹洞宗臨済宗日蓮宗の各宗派からの代表の方々が代わる代わる出てきてそれぞれのお声明を唱えるのは、なかなかに厳かなものであったが、厳かなものであるはずなのだが、人垣でその様子がじかには見られないのと、その人垣が無遠慮に携帯やデジカメを掲げてぱしゃぱしゃやるのと、更に会場内を七色のだんだらの光で照らし出そうとする演出のおかげで何かとても違う物になっていた気がする。
 まあ、一般の人々に親しみやすいポップな演出ってああいうものかもしれないけど。
 ところで入ってみるまで知らなかったのだが、築地本願寺の本堂は、壁にはステンドグラスなんか嵌っていて、中にはパイプオルガンなんか設置されているのだった。ほんとに鳴らしてたかなあ、あれ。演奏者の方がみえたから多分鳴らしてたと思うんだけど、アンプ入れてスピーカーから流してたせいで電子楽器のようであった。そして、そこから流れる曲がキリスト教の賛美歌か喜多郎姫神か、というあたりなのは、やはり宗派だけじゃなくっていろいろと踏み越えてしまってる気がするの。
 クライマックスの、御坊様方が一斉に散華を撒くところへ太鼓がかぶっていくあたりはなかなか感慨深い物がございましたけども。ずっとああいうにできなかったんかなあ、でもあのくらい親しみやすくしないと人来ないのかなあ、などとちょっと複雑なことであった。