「パーフェクト・ストレンジャー」を見る

 ようやく仕事もちょっと余裕出てきたかな、ということで、久方ぶりに映画を見たのだった。ハル・ベリーブルース・ウィリス出演のサスペンス・ミステリ、「ラスト7分11秒、あなたは絶対騙される。」とさかんにCMで言ってる奴。
 しかしその。
 映画の出来以前に、私には遺憾な展開が。
 なにが遺憾かというと。終電近くに終わる最終回の切符を買って、始まるまでの間パンフを買ってスタバに入って、パンフを読んだんだが。
 結末書いてあるじゃん....
 いや、パンフなんてそんなもんだ。それを忘れて観覧前に読んじゃった私がバカなんだが。結末分かってたって、良いサスペンス/ミステリはきっちり楽しめるもんだ、と思う――のだが。
 見終わって。やっぱりこれは、最後のどんでん返し抜きでは今一な映画なんじゃないか、と。

(注意:以下、結末にかなり近いことを書いてます)

 そう思ってしまうのは、やはり演出に色々物足りないところがあるからかなあ。一度探ってることがばれそうになりながら、「ボスに恋するかわいい女」を演じきって逃れるあたり(メモは保険として用意しておいたのか)などはわくわくしたのだが。あと、ジョヴァンニ・リビシ演じるハッカーの相棒の怪しさはかなり際だってたし。垂れ目がだんだん怖くなる。
 しかし、容疑者はたくさん出てくるのに、この主要3人以外の印象が薄いのだった。この3人以外が犯人だとすると、たいした話にはなるまい、と思うくらいには。
 まあ真犯人はともかくとして、最後の展開は予想の範囲なんではなかろうか。だいたいあの主人公は、彼のことは生殺し状態のくせに頼りっぱなしなわけで、あれは相当酷いことじゃないかと。(デート支度のセクシーなドレス姿になってるとこになんでわざわざ呼ぶか、とか、恋人呼んだり自分でも秘密があったりするのに部屋の鍵のありかも教えて好きに出入りさせてたり、とか)
 で、あのどんでん返しをやるならせめて、もうちょっと後から「あああれが!」と思わせる伏線をはっとくべきなんじゃないか、とか。フラッシュバックが何を意味するのか見てる間は「なんとなく厭な思い出」くらいにしか分からないだろうし。
 そういうわけで、確かに意外な結末には違いないけれども、膝を叩いて納得するような感じではないのが辛いところなのだった。チャットのなりすましとか、瞳孔写真とかいったアイテムの怪しさにはちょっと期待したのだけども。