「ストライキ」鑑賞会と宴会

 mixiのオフで、DVD鑑賞会であった。11月に予定されている次回講義の宿題/予習も兼ねている。

ストライキ [DVD]

ストライキ [DVD]

 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督1925年の作品。白黒無声映画である。
 台詞やら状況説明やらは途中に時折キャプションが挟まれるだけなのだが、その分状況や感情の表現は大仰な感じ。よって、中盤あたりまではかなりコミカルに描かれているのだが、後半に入ってなんとなく厭な感じの展開が続いた後、突如終盤のカタストロフィになだれ込むのであった。
 余談に近いが、この映画の特徴としては「出てくる動物がかわいい」。これが、無意味にかわいいのだ、猿とか。小熊とか。子猫とか。でも時代のせいもあってであろうか、残酷なシーンは無造作に残酷なんであった。廃墟だか荒れ野だかの端に猫を逆さ吊りにしたままの櫓があったり。終盤のイメージカットらしい牛の屠殺は、白黒で分かりにくいけど、あれはほんとに殺してるんだろうなあ、とか。
 そして、よく考えてみると、これを撮影するのは相当な手間ではなかろうか、ということに気付く。あとからあとから押し寄せる群衆の人数やら動きやらはどうやったんだ、と思うし、終盤に高層住宅に乗り込んでくる騎馬隊など、あんな高さに歩かせてよく馬が怯えなかったな、とか。
 しかしこれ、一回ではちゃんと意図がわからないかもしれない。特に前半の、登場人物の寓意などは。機会があればもう一度見てみるべきか。いや、その前に次回の講義で解説があるかな。

 DVD鑑賞会の後は、参加者十数人で和風居酒屋にて宴会。お料理が大変よろしかった。量はいくぶん控えめだったかもしれないが、私には丁度。ただし、突き出しにでてきたパプリカの揚げ物としか見えなかったものが実は南蛮で、口に入れてしまうと後々までじわじわと辛くて困った。おいしかったのはおいしかったんだが、ご飯が欲しくなるところである。
 さて居酒屋での二次会の後、三次会はどうしよう、というのでちょっと動いたが、当初考えていた店が入れず、急遽シガーバーというところに決まる。私は喫煙はしないのだが、なかなか面白いところであった。葉巻の種類による葉や巻き方の違いを示す、座標上に示したマップ図が置かれていて、これは売り物でもあったりするのだった。で、葉巻というのは実際に吸ってみるというと、太さゆえかそうそう一気にはふかせないためか、喫煙者一同は吸いながらも着火に苦労していた様子であった。あれは火力の強いライターを備えておかないとなかなか難しいらしい。
 それから高級な店構えだと思ったら、葉巻のみならず酒の種類もかなり充実していたのだった。隣に座っていた方はモルトウィスキーを頼んだら、「樽出しがありますが」と言われてそちらにしていた。格段に旨かったらしい。私はカクテルなぞ頼んでいたのだが、リキュールの品揃えも良かったらしい。――と、いうことに、後になってカウンターの前を通った時にようやく気付いた。メニューに載ってない酒が結構並んでいたのである。シャルトリューズがあるならそう言って欲しいわ、折角の機会なのに勿体ないことをっ;
 ゆっくりしていたいところではあったが、この日は11時からのNHK「トップランナー」に森見登美彦氏が出演するという日だったので、早めに失礼したのだった。