東京都美術館にて「トプカプ宮殿の至宝展〜オスマン帝国と時代を彩った女性たち〜」

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 それはそれは豪奢な光り物や精緻な細工物が、というので行って来たのだった。そういう展示には目のない私であった。
 朝日新聞社で特集やって盛り上げてる企画なので、例によって大変に混んでいたのだが、まだしも足の踏み場がある程度だったのでまあ良し。
 オスマントルコの皇帝というのは随分と財力と権力があったのだな、というのが見るほどに良く分かる。いや、特に豪華だったり細工が見事だったりする物を選んで持ってきたんではあろうけどね。文書が豪華な飾り文字や絵で彩られてるのは皇帝の権威を示すものであろうから当然としても、ちょっとした日用品にも細かい彫刻や象嵌や刺繍やなんかが施されてるのを見ると。
 まあ巨大な石やらぴかぴかの金銀細工やらの豪華さも見事なもんですが、小さなアクセサリやら化粧品入れ等の類にも細かな飾りが施されているあたり、相当に文化的で豊かな生活があったんであろうというのは伺える。浴室用のタオルにビーズやスパンコールの刺繍してあったりとかね。(どう考えても使いにくくしていると思うのだが、浴衣を兼ねるとあれば、ハレム内部で妍を競うには必要なアイテムであったのだろう)その底辺が被征服民の搾取や奴隷労働にあったとしても。
#でもオスマンはどうだったかいな。欧州世界との紛争は激しかったけども、改宗すれば被征服民にもそんなにひどいことはしなかったという面もあったはず。
 展示品を模したグッズに多少心惹かれはしたのだけど、こういう物に手を出し始めるときりがないので、自制して図版のみ購入する。この展示の図版は、トルコの薔薇の香りのサンプル(濾紙に浸ませたもの)がおまけについて来るというものであった。そういや会場でも振りまかれていたりしたけども。ダマスクローズという奴ですかね。
 でも実際のハレムは薔薇の香り一色じゃなくて、それこそ香りにおいても様々なバリエで妍を競ってたんじゃないかと思うけどな。