夜半過ぎ、床についた後

 うとうとし始めた頃、マダムと眠っていたはずの坊猫がなんだか焦れた様子でやってきて、用を足した。
 まあ粗相じゃなくて、ちゃんとトイレでやってるからいいはいいのだが、そのままにしとくと引っかき回して荒らすことがあるので、仕方なく起きあがって片付け。
 片付け終わって戻ってみると、隣の別のトイレに用が足してある。ちょっと待て、どこにそんなに出す物が入ってたのだ、と呆れるが、量は少ないなりに広範囲に撒き散らしてある。
 なんぞ気がたっているんかな、と思って仕方なく再度片付け、改めて横になると、今度はお嬢猫も一緒になって運動会に発展した。君ら、今の今まで静かに寝てたくせにーっ、と思いつつうとうとしていたら、またトイレに来て用を足す気配。
 なんかもう目が覚めて来ちゃったよ、と片付けること五回――いや、手間も手間ではあるけども、さすがにこれは何かおかしくないかと心配になる。腎臓とか泌尿器系とか甲状腺の病気をまず考えるが、恐ろしく元気ではあるし、そこそこにちゃんと食欲もある(三頭併せての消費量、とはいうものの過食という感じでもなく、他の二頭もそれなりに食べているのは見ている)、肉付きだってむちむちしているし、トイレで踏ん張ってもしっこが出ない、という様子もない。わざわざスプレー用にとっておいてるのだろうか?;
 結局、これだけ出してるからにはもう出たとしても大した量じゃないだろ、と片付けを翌朝に回して寝たままでいたら、ようやく布団に潜り込んできて落ち着いた。――つまり何か? 片付けないままで自分のしっこ臭が残っているポイントがないと、不安だったとか?
 あんまり病気な感じはしないけども、一度見て貰った方がいいだろうかね。なんか最近私が帰宅すると、何か言いたげに焦れ焦れと鳴きながらうろつく時間が長い様子なのだ。さかりのような声で鳴き喚くこともひとしきりである。(去勢雄のくせに〜;)しばらく暴れ回ると、ようやくマダムにくっついて大人しく眠るようなのだが。
 何か痛いだか落ち着かないだか、訴えたいことがあるのだろうか、ねえ。