「仕掛人藤枝梅安」を見ていたら

 こんな、シーンがあって。

「そういや親分さん、もうじき父親になりなさるそうで」
「え? へへっ、桜の――咲く頃には生まれるって、うちの奴は言うんだけどよ」
「春に。そいつはいい」
「おう、春が来るのが、待ち遠しくってしかたねえのさっ」

 ――と、ここまで聞いて、
「あああ、これは死にフラグだっ!!」
 なんてことを、感じてしまった自分がちょっと嫌。
#まあ、そのとおりだったんですけどさ;
 いや、ここは、そのように効果的な「お約束」を作り上げるに至った時代劇の作法に敬意を表するべきか。
 でもできることなら、この会話が唐突でないように感じさせる工夫とか、こういう唐突な会話じゃなくて、さりげないところから出番の少ない人物にも感情移入させる工夫とかがほしかったかなー、と。