明け方の夢

 友人(らしいが、起きてみると覚えのない人物)の家で大勢で食事を呼ばれることになって、居間に行くと昔の知人にばったり会う。もう十年以上も顔を合わせていない相手なので驚くが、体格は余り変わらないものの顔の輪郭がずいぶんぷっくりと膨らんでいたもので、「やあ、肥え太った」と言って指さして笑う。それはもう高笑いする。
 起きてから思えば、随分ひどいことをしたものである。相応に年を取れば、体重が全く変わっていないとしても顔の皮は弛むのだし。別に嫌いだったり怨みがあったりする相手でもなかったのだが、昔は結構ええかっこしいだった印象があったもので、からかってやりたくなったのかもしれん。
 しかしその後食事が始まると、周りの人々が大皿に乗った料理を甲斐甲斐しく取り分けているのを見て、ああ私は役立たずだでくのぼうだ、と感じたのだった。
 そんなわけで、寝起きだというのに妙に気疲れしていた目覚めだったのだった。なんでしょ、急に?;