狂牛病:発症前に血液検査で検出が可能に?(WIRED NEWS)

 凄い。画期的。


 狂牛病の原因となる異常なタンパク質が輸血によって人間に広まる可能性が指摘されているが、その血液が感染しているかどうかを調べる実際的な検査方法はまだない。だからこそ、血液提供者を念入りに調べ、感染が広がっている特定の地域に住んだり訪れたりしたことのある人が排除される仕組みになっている。
 今まで、人の脳を冒すこの病気に感染しているかどうかを調べるには、脳を解剖する以外に方法がなかった。
 狂牛病プリオンというタンパク質の異常によって引き起こされる。テキサス州ガルベストンにあるテキサス大学医学部のクラウディオ・ソト教授(神経学)率いる研究チームは、血液サンプル中のプリオンを増殖させるプロセスを考え出したと報告した。これにより、血液検査でプリオンを検出できるという。
 こうした検査は輸血による病気の広がりを防止するのに役立つうえ、感染したのが人間であれ動物であれ、他に広げる前に検出することも可能になる。この研究結果は、『ネイチャー・メディシン』誌9月号への掲載に先立ち、28日(米国時間)に同誌のウェブ版で概要が公開された。
 そうなのよー、今まで疑わしい症状で死亡した患者・患畜の組織からしか調べられなかったのよ。おかげで可能性があって疑わしいだけで、輸血できないのよ。(まあ確実に調べられる方法がない以上、しない方がいいのは確かなんだが)
 この検査法が完成すれば、生きてる間に感染が分かるし、ということはヒトの場合は症状が進行する前に治療をはじめて、完治はできないものの進行を遅らせることもできるわけだ。
 ――で、この検査法が出来たら、米国の畜産業界が全頭検査するようになるかってーと……しないだろうなあ、きっと。食肉の全頭検査でさえしてないくらいだし。
 てことはやっぱり、米国牛は食べない方がいいってことか。
 ちょっと思ったんだけどね、この検査法が臨床に使えるようになったら、米国食品医薬品局あたりは青ざめるんじゃなかろうか。これまでもへたり牛が食肉に混入した、てことは、ちゃんと検査できるようになったら「実は変異型ヤコブ病でした」てえ認知症患者がぼろぼろ出て来るって、絶対。