東京都美術館にてプーシキン美術館展 シチューキン・モロゾフ・コレクション

 どうしようかなー、と長らく迷ってはいたのだが、なかなか見る機会もなかろうということで、来週で終了というこの時期に行って来たのだった。
 コレクションの対象は印象派からフォービズム、ロシアのナビ派に至る作品群で、有名なところではルノアール、モネ、セザンヌマティス、マネ、ピカソなど。
 で、観覧して。ううむ、印象派って、デッサン狂ってるよな、と。いや勿論、意図的に崩してるんだろうけども、ギリシャ・ローマの彫刻群とか、ルネッサンス絵画とか見てきた人々にとっては、「最近の若いのが妙なことをはじめた」というようにしか見えなかったろうなあ、と。
 まあ、成功してる作品ではこのデフォルメも面白いんだけどね。モネとかセザンヌあたりの風景画で、色彩のコントラストだけに変換掛けたような画面は、お? と目を惹くのに「ああ、あるある、夏の眩しいときなんかこういうふうに見えるわ」と思わせてほのぼのさせるような感じだし。
 でも、以前ほど印象派には惹かれないかなあ。先週北斎なんか見てるからかもしれないけど。デフォルメもいいもんだけど、実体の迫力ある特徴を抑えてると言う感じがしないと、わたしにはあんまりぴんと来ないらしい。
 そういや展示の中にロートレックが一枚だけ、乗馬の場面を描いた「騎手」があって、これはそう大きくもない作品だけども流石に馬の躍動感なんか見事でした。
 会場には午後も後半という時間帯に入ったもので、入場制限こそなかったものの大変な混み具合だった。まだしも北斎展ほどの点数がなかっただけ楽だったのかもしれないけど、ちょっとふらふらしながら外へ出て、今回は図版やグッズなども何も買わずに退場。