雨の日の雑踏

 混み合う電車は濡れた傘が不快なのだった。まあお互い様だけど。
 人の多いホームや階段やコンコースに、長柄の傘をはみ出させて歩いてる人を見るのも怖いものである。周囲にある程度空間があっても、あれが突然伸びたり、ぐるっと弧を描いて回ってきたりするかも、などと考えてしまう。みんな足早に歩いていることだから。
 雨の日は車道以上に人混みが怖いっすね。そういや昔、とある田舎者の(こう言って置いた方が良いと思う。住んでるところがどの程度田舎かはともかく、人混み馴れしてないんである)身内が、駅の通路を歩きながら折り畳み傘を畳み直そうとしていて慌てて止めたことがある。当人はちょっとむくれていたが(子供かっ;)通りすがりの子供の目でも突いたらと思うと気が気ではないんである。単に私が心配症なだけかもしらんが。いや、通りすがりの子供の前に、雨の日の駅通路なんて当人がこけて怪我、という可能性の方が高いか。
 でも痛い目に遭わないとわからなかったりするんだよね。とはいえ、そうそう痛い目に遭う可能性ばっかり考えてるわけにもいかないしね。