午後の雷雨

 薄曇りというか割と明るい空なんだが、妙に一部の雲だけどよどよ濃い色をしているな、と思ったら、雷雨になった。
 おお、もうそんな季節になるかねえ、と窓ガラスに貼り付いてみるも、音はすれども光は見えないのだった。雨が激しすぎて煙ってしまうせいもあるか。
 そうこうしているうちに止んでしまった。ちょっと勿体ないような気分になったことだ。
 そういや郷里にいた頃は初夏になると、年に1度や2度は必ず雷雨とともに雹が降ったものであった。都心の夏は雷雨は多いんだけど、雹は見ないなあ。ちょっと寂しいような――ってあれは、降ると結構色々大変らしいんだけどね。車に傷ついたりとか、ビニールハウスとか露地の葉物野菜とか破けちゃったりとかするから。