「幻の肉まん」

 上野公園内を移動中、露店前に出された上記の看板を見ての会話。
「『幻の肉まん』なんて言って、売ってるじゃない。あるんなら幻じゃないよねえ」
「……いや、実はほんとに幻なのかもしれない。実体があるように見えても、口に入れると途端に消えてしまう幻覚とか」
「そんなもので金をとるの? 実体がないのに?」
「……しかし実は、消える直前の味は幻覚ながら病みつきになるという代物であって、一度口にしたらもう何度でも買わずにはいられなくなるという恐ろしい肉まん……リピーターで大賑わい……」
「――いやだそんな肉まん」
 ほんとはどういう物なのかなあ、「幻の肉まん」。
 依存症になるとやだから買わないけど。(ないない;)