北原尚彦氏のサイトで

 最近、異形コレクション参加作家陣が寄稿しておられるホラーアンソロジー「平成都市伝説」を入手したもので、思いだして久しぶりに北原尚彦氏のサイトを読みに行ってみた。
 で。ああ雑記帳が更新されているね、と読みはじめ――先月の記述に、のたうち回る。
 ふげあえおう〜
 あぐぐおおよ〜ぅ
 など、なんのことやらと思われるかも知れないが、言葉にならない声を上げることである。酷い話なのだ。
 私も擦れたオトナだから、世の中にそういう話が少なくないのは知っている。でも少なくないからって全然平気にはならないし、そう言う話が少なくない世の中はやっぱりおかしいし怖い。
 まあ、そらね。こちらから見たら愛らしく賢い人気者でも、余所では心底憎まれるような側面があったのかもしれないけどさ。仮にそうだとしたってこれはないでしょ。不幸な行き違いにせよ、獣は説得も弁明の余地も何もないのだから。
 北原氏は淡々と簡潔に書いておられるが、実際に目にしていた相手だけにご心痛であろう。私も想像するだに、どうにも腹立たしくて悲しくてもどかしくてならないのだった。
 私が最初に同居した呑気で間抜けな保父猫も、もしかすると似たような目に遭ったかもしれないと思うと余計そう思う。(まだしも幸いというか、保父猫らしい遺体を見た人の話では、目立った外傷もなかったそうだけど)
 改めて、戸外で暮らす獣には受難が多いと思うことだ。人なつこい接客業ほど難にも遭いやすいと言うのがやりきれない。
 そんなもんさと思っているうちに結局、猫だけじゃなくて子供だって、一人歩きもできないご時世になっちゃったと思うと余計ね。