久石譲コンサートJOE HISAISHI Freedom - PIANO STORIES 2004

 仕事詰まってるのにー、と思っていたところへ、突然懸賞で当たったのである。どうしろというのだーっ、こないだラカトシュ行ったばっかりじゃん、一週間に2つもコンサート行くなんてどんな週だよーっ、とじたじたするが、やっぱり行くのである。タダのチケットだからやっぱり凄い後ろの席だったけども。
 だって久石譲だし。恥ずかしながら私は「Quartet(カルテット) [DVD]」も映画館で見た奴だ。サントラも持っている。
 ただ一抹の不安を覚えたのは、曲はともかく御本人が弾かれるピアノはどうよ、ということ。
 結果的には杞憂であった。共演のエンジェル・デュボー&ラ・ピエタという女性だけのアンサンブルが良かったと言うのもあるし。久石氏のピアノは正確なタッチと言う感じではないのだが、奔放さや疾走感は良かったと思う。(不思議な事に早く細かい動きの時ほどぴしりと決まるのに、ミドルテンポあたりでよく不協和音が混じる。わざとか? ああいう演出か!?)
 やっぱりこの方の曲には揺さぶられることですよ。基盤としてはノスタルジィと茶目っ気かね。細かいリズムを刻む事で疾走感を出すとか、ゆったりした低音ベースの流れに和物のヨナ抜き音階の旋律なんてのも多用されますが、その中に軽やかさや明るさが覗かせるという。――ってー、方法がわかってるのにやっぱり感情が動くってのはなんだ。
 選曲は1月に出るというアルバムから出したのか、最近の曲が多かったようだ。「ハウルの動く城」のテーマ「人生のメリーゴーランド」とか進研ゼミの「Spring」、伊衛門のCMに流れてるあれをアレンジした「Oriental Wind」とか。しかしアンコールにはやはり知られたところの「鳥の人」「A Wish to the Moon」(キリン一番絞りCMの口笛の奴)「Kids Return」なのだった。
 帰宅してからパソコンで「Quartet カルテット ― オリジナル・サウンドトラック」など聞く。このテーマ曲「Quartet」もストリングスでやったのだった。ただ個人的には、映画「Quartet」からなら「Black Wall」をやって欲しかったなー、と――まあ普通やらないだろうけど; 「Quartet」でもなんとなくだれてたしなあ。観客にはお子さんもいらしたから、前列で「Black Wall」なぞ聴いたら悪夢を見るぞ、とも思うけど。
 ――そういえば、「トトロ」と「魔女宅」「千と千尋」からは一曲もなかったなあ。そっちを期待して来たお子さん向けではなかったかも。

 ところで生の久石譲氏は、なんだか誰かを思い出させるなあ、と考えている内に気がついた。
 デューク更家だ。
 いやその、容貌そのものよりも、雰囲気が、かなあ。動作とか姿勢とか、身なりとか。あと、しゃきっと年を取ってる感じが、かね。

#持っててなんだけど「Quartet」のサントラは、個人的にはあんまりお勧めしないです。どんな曲だか知りたい方にはいいだろうけども、曲によって演奏の出来不出来がありすぎるような気が……
 お願いだから、もういっぺん録り直して出してほしい……できることなら、だけど……;;