ホテルオークラにて「第15回秘蔵の名品アートコレクション展 栄光のオランダ絵画展」を見る

 ポスターを見かけて気になっていたのだった。今回は収蔵品展ではなくて、オランダ外務省他各所の協力を得ているとかいうし。
 で、降り出した雨の中、最終日に見に行ってきました。ゴッホはともかく、ほんとにレンブラントなんか来てるんかなあ、と危ぶみつつ。
 ほんとに来ていた、といやあほんとに来てましたな。ただし1枚を除いて銅板画作品で、残る一枚は近年の鑑定で「レンブラント工房」作品とされた「聖家族」(アムステルダム国立美術館所蔵)。本人の筆じゃなさそうだから貸してくれたんかな、とは思うけど、それでも以前はレンブラント作品としては相当人気のある一枚だったというし、絵自体に現れた技量はそう評価の変わるもんじゃないだろうし。
 て、この絵への私の感想はと言うと、面白いんだけど、今一ぱっとしない。地味だからかなあ、穏やかな描きようではあるけど、人物小さいし、ハイライトも弱く柔らかめだし。何よりヨセフらしき人物が、右手手前に描かれながらも影の中でほとんど翳んでしまってる、というあたりの意図がどうにも。子供向けの課題入りプログラムを持った男の子が与えられた問題に従って描かれてる人物を数えて、自信満々に「三人!」とか言ってたし;いや無理もないんだけど;
 レンブラントゴッホ以外の画家はほぼ知らない名前ばかりだったんだけども、20世紀序盤あたりからのマジック・リアリズムの作品などは面白かったですな。ラオル・ハインケス静物」などは、果物と石垣の質感・色調などがマグリットに良く似とるな、などと思ったり。
 しかし主に21世紀の作品として、写真作品も一緒に展示されてたのにはちょっと首を傾げたことであった。あれは既に評価が定まってるんだろうか。レンブラントゴッホと「オランダ」という共通点だけで一緒に出されると言うのもなんだか異な感じではあったのだけど。