東京都庭園美術館にて国立エルミタージュ美術館所蔵「エカテリーナ2世の四大ディナーセット−ヨーロッパ磁器に見る宮廷晩餐会−」を見る

 陶磁器とかこういう工芸品には目のない私である。あっというまに会期末になり、最終日に慌てて見に行ったのだった。
 ウェッジウッドに作らせた「フロッグサービス」は割と見たことがあったんだけど(ウェッジウッド展にはたいてい出てるね)、他の3種類(ベルリン王立窯ののベルリン・デザート・セルヴィス、セーヴル窯のカメオ・セルヴィス、国内の民間業者に依頼した聖ゲオルギー・セルヴィス)は初見。器の塑造や彩色も美しいけども、テーブル装飾として作られた人形群が楽しい。ロシア各地の諸民族や職業の人形を作らせる、というのは当時の国民意識を鼓舞するためとかの意図による流行だったんだとか。
 しかし、この中では、比較すると聖ゲオルギー・セルヴィスの造作が今一ですよ。いや、フロッグサービスもほぼ黒の線画だけで風景を描いてるから地味っちゃ地味ですけどね。(まあ比較の対象が空色のセーヴルとかだし)聖ゲオルギーは、絵柄自体が荒い感じがするし、加えてオレンジと黒のリボン柄って。それなんて警戒区域、て感じも;
 なんとか自国でそれなりの窯を構えたいという意欲が先走った品だったんでしょうかね。これはこれで気に入られていたのか。いや、勲功のあった士官とかに与えるのにはこのくらいで丁度、とかいう理由か?

 一回りして出ようとしたら、今庭園美術館って、新館の旧東京都迎賓館部分は耐震補強工事のために閉めてるのね。代わりにウッドデッキつくってあったけども、カフェやショップはなくなってるのだった。まあ入り口で図録だけ買って、お庭をちょろっと眺めてから出ましたけども。