集中豪雨――大都市の真ん中で自然災害に遭うということ

 昨夜に引き続きどうも怪しい雲行きだなー、と思っていたら、昼前から激しく降り始めたのだった。
 午後一杯ぴかぴか光ってはがらがらがっしゃんと派手に鳴り響いたのだった。
 なんか酷い降りだなあ、大丈夫かの、と思っていたら、どうやらそっちこっちで大丈夫じゃなかったらしい。

5日午後0時15分ごろ、東京都豊島区雑司が谷2丁目の下水道内にいた作業員5人が増水で流された、と119番通報があった。東京消防庁などが捜索したところ、同1時半ごろ、約3.5キロ離れた文京区後楽1丁目の神田川で男性を発見。同8時半ごろには現場から約3キロの都下水道局後楽ポンプ所地下4階の濾過(ろか)施設で男性が見つかったが、2人とも死亡が確認された。

関東、甲信地方で5日、集中豪雨が発生。総務省消防庁の午後7時現在のまとめでは、東京、千葉、長野各都県で33棟が床上・床下浸水した。東京・新宿では地中のガス管が折れ、ガスが漏れた。

5日午後0時50分ごろ、東京都足立区千住4丁目の商店街の一角で、区道(幅員5.45メートル)が縦、横ともに約5メートル、深さ約6メートルにわたって陥没し、走行中のバイクが転落した。

東京都豊島区内の下水道で作業員5人が流された事故。気象庁が東京23区に大雨洪水警報を出したのは、約50分後の5日午後0時33分ごろだった。今回の増水の原因は、いつ、どこで起こるか分からない短時間の局所的な「ゲリラ豪雨」。都市部の気温上昇がもたらすヒートアイランドの影響なども指摘されている。
 同庁の村中明・主任予報官によると、コンピューターを使って行う今の「数値予報」は、縦横100キロ程度の大気の動きを予測している。しかし、豪雨をもたらす積乱雲はせいぜい縦横10キロ程度。「さらに細かく予想すれば、計算に手間取り、予報として使えなくなる」と言う。

 東京という街は、夏には市街地のど真ん中で水死者が出るところになってしまったようですよ。この21世紀初頭現在に於いては。
 まあ自然災害であるならば起こってしまうのはやむを得ないし。(人災の部分があるとしても、現状では発生自体は止めようがない。)起こった場合のことを考えて、都市の造りや対応態勢には手を入れなきゃならないとしても、基本的には「そういうもの」として受け止めるしかないですわなあ。
 しかし、つらつら考えるに、こんな街で夏(多分八月)に、諸外国から人集めてオリンピックなんか開くのは、正気の沙汰ではないのでは。
 雷雨と集中豪雨は既に例年の東京の夏の気象現象だけども、それを言うなら他にも、台風だって毎年何回かは必ず来るわけだし。この国では地震の可能性だってあたりまえにあるし。
 この街に慣れた人間なら、避難経路とか被害規模を小さくするための対策をとか、色々人的な備えも可能だろうけども、巨大イベントがあって旅行者の数が膨れあがってるときにこういう災害が来たらと思うと空恐ろしいですよ。