「秘密〜The Revelation〜」第5話「キヌコ(前編)」を見る

 かなり抑えて地味に描かれた画面ではあるけど、酷い話になってきてる。
 青木を睨み付ける絹子の台詞とか。

下衆野郎!」

 ああなんか、ようやく面白くなってきたって感じがする〜。もっと色々やれるだろーにっ、と思うところはあるけども(日記を焼くためだけに海まで行くことはないだろ、とか)まあ。
 しかしあの、美少女の口から出る罵倒語には「お願い、もっと言って!」とか身もだえしている視聴者だっておられることであろう。
 ――とか考えてしまう私もどうよ、という気はするが。ああ大人ってこれだから。

 最後にちょっとだけ出てきた平井少年。後編にも絹子の罵倒というか啖呵があるはずだし、まとめ具合に期待。

 以下、ちょっとネタバレなんで畳みます。
 明らかに絹子が真犯人なのに逮捕できないって法的にどうよ、という疑問がたくさん出てる様子ですが、一事不再理はこの場合関係ないんじゃないかと。
 私の個人的見解なんで脳内補完かという気もするのですが、あれは純粋に捜査方法として非合法だから、ということなんじゃないですかね。「絶対の守秘義務」があるはずの状況で、捜査に有用だからという理由だけで例外が許されるのか、と。
 例えば現実の現代の状況で言えば、図書館司書が勤務先の図書館利用者の貸し出し履歴情報から、ある犯罪への関与を確信したとしても、その情報を警察に届ける訳にはいかんのじゃないでしょうか? いや実際にはするかもしれないし、警察もその情報を元に捜査をする場合もあるでしょうけど、もし単なる勘違いだったら違法性を問われるのは司書の方ですな。
 と、考えると、MRI捜査というのは、何も手がかりのないときの突破口として重宝されてはいるけども、最終的な証拠能力はないんじゃないでしょうかね。結局のところ脳の持ち主の主観だし。妄想だったり夢だったり幻覚だったりする可能性もあるわけで。
 すると、じゃあそもそも、知ったところでどこにも出せない何も変えられないようなMRI捜査がなんで行われたのか、という疑問は残る訳だけども。実際のところ、報告書を提出させられるくらいだから「絶対」じゃあないわけですな。上層部に内密に報告されて、現場にデータソースの詳細は明かされないまま裏付け捜査が行われたりはするんじゃないかと。例えば今回の場合、絹子は殺されたと思われてたわけだから、遺体投棄の情報が得られたらその地域に再捜査が行われた可能性大。ただし捜査員には誰を探してるかは明らかにされないような形で。
 で、薪が「事件はもう終わってる」「冤罪なんて言葉を軽々しく口にするな」と言ったのは、MRI捜査に証拠能力がないなら、絹子が今後監視され続けたとしても尻尾を出さない可能性もあったろうし、捜査による裏付けを怠って、自白のままに不当な死刑を執行してしまった、という事実を警察上層部が隠蔽する可能性も大。(最近のメロディ掲載作に、そういう大人の事情の話も出てきましたな)だから青木には、先走って余計なことを漏らさないよう、釘を刺しておいたんじゃないですかね。

 あと、後編のネタバレなんだけども。
 その後の研究によると、犬の視界は真っ赤ではないらしい。色覚として感じられる波長がずれているらしいので、見える色調が普通の人間の物とは違うらしいけども。そのへんアニメでは修正入れるんかな?
 そもそもヒト用に開発されたのと同じ方法で犬も読み出せるのか、色々ソフト的な調整がいるんじゃなかろうか、という気もするのだが、その辺の技術スタッフの苦労は端折って描くかなあ、物語的には。