メーデー メーデー

 官庁街が近いので、昼にメーデーのデモ行進を見る。
 ……なんじゃこら、としか言いようがない。
 だってさ。いろんな労働者団体の混成軍で、それぞれの団体がてんでに自分のとこの要求を叫んでるんだよ。「労働者の集まり」という極めて大雑把な括り以外には、共通点らしい物はないの。とりあえず何か「労働者として」要求することを叫べばいいらしい。
 元は崇高な意志に基づいた集まりだったのかも知れないけど、なんでもかんでも集めればいいってもんでもなあ。「労働者」の「使用者」に対する要求ったって、別の業界同志で付き合わせたら利害が対立することもたくさんありそうだけど、とりあえず「メーデー」という括りの元では並べてしまうらしい。
 どこまで本気なんだ。いや、それぞれは本気なんだろうけど。
 それと、要求とかスローガンを書いた看板や横断幕を掲げてる団体も多いんだけど。文字と一緒に、漫画やファンシーグッズのキャラクターを描いてるものもいくつもあるのだね。
 あんたらそれ、著作権者の許諾とったんか。
 いや、ちゃんと話したら営利じゃないなら、ってって許してくれる人もいるだろうけどね。そういう主張に勝手なイメージつけて使われるのはなんだか、という人もいるだろうと思うのよ。
 まあ、もっと牧歌的な時代だったら笑って流したとこだけどね。最近ちょっと著作権関連ではぴりぴりしてるもので。――ていうか、そのキャラクターとそのスローガンは全然関係ないだろ。そういうキャラじゃなかったぞ。というものも多くて。
 他人様の権利を平気で侵害してなあなあでいられるのに、自分の権利は主張するたあ自己中もいいとこだぜ、と思うことだ。
 ――あ、そういえば、D社のキャラクターは流石に見なかったな。呑気なんだか狡猾なんだかわからん。