見事な青空を背に

 屹立するビル群を見上げていると、つい
 「飛行機はどこだ」
 と思うのは、わたしだけか。
 不謹慎なのは分かってるのだが、それはジョークではなく、薄ら寒い諦念の混じった予感にも似た感慨である。
 何かの終わりの日というのはこんな感じなんじゃないかな、と。8月6日にせよ、9月11日にせよ、この先のいつにせよ。
 ついでに言えばこの感じは、20年ほど前の、爽やかな5月、ラジオのニュースを聞いてから登校した朝に遡るように思う。そのニュースで伝えたソヴィエト連邦某所の原発事故からは既に二週間ほど経っていたはずなのだが。