デブリがいっぱい
中国が11日、高度800kmの軌道上にある自国の気象観測衛星を地上から発射された弾道ミサイルにより攻撃し、衛星の破壊に成功していたことが判った。米情報当局からの情報として17日付けの英アビエーションウィーク誌が報じた。
(中略)
米国は1970年の後半から今回、中国が実験したものと同じようなASATの開発に着手。その後、空中発射型のロケットミサイル(ASM-135 ASAT)の開発に成功。1985年にF-15戦闘機からASM-135を発射して軌道上にある使われなくなった衛星の破壊実験に成功した。しかし、この実験では地上から観測可能な程おおきなスペース・デブリが約200個も発生。このデブリが全て地球に落下して軌道が再利用可能となるには約17年の年月が必要となった(Krepon, Michael. "Seven Questions: Space Weapons." Foreign Policy. July 2005 issue)。ミサイルによる衛星の破壊は結果として生じたデブリにより他の衛星に2次被害をもたらす危険性が高いことが判明したため、米国はその後、地上発射型のASATの実験は行っていない。
中国の弾道ミサイルによる衛星破壊実験で発生した約10センチ以上の破片(デブリ)が地球の上空を大量に取り巻き、国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星が危険な状態にさらされていることが米民間分析機関によるコンピューター画像の分析で明らかになった。
雲のような無数のデブリが北極から南極の上空を通る軌道をびっしりと埋めており、赤道に対して約50度傾いて地球を回るISSが、南半球の上空でデブリ帯を通過することがわかった。計算に基づく具体的な衝突の危険性が示されたのは初めてで、分析を担当した科学者は「脅威である」との見方を示している。
中国の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験を受けて、米政府当局者らは22日、宇宙空間に破壊された衛星の破片によるスペースデブリ(宇宙ごみ)が大規模な「雲」を形成しており、各国の衛星のほか、国際宇宙ステーションにも衝突する恐れがあると警告した。ロイター通信が伝えた。
また、専門家はデブリが高度約400キロから約3000キロの広い宇宙空間にわたり観測され、この軌道上にある120個以上の衛星が危険にさらされていると強調。軍事衛星のほか、民間衛星へ衝突すれば日常生活に影響が出かねず、国際的にも懸念が広がっている。
(中略)
さらに、民間の専門家はこれらのデブリが人工衛星の軌道上からなくなるまで数十年かかる可能性があると指摘。今回の実験では1〜10センチ大のデブリ約4万個が発生したとの推測もある。
これは、中国になんか後始末させた方がいいんじゃないかな。賠償なり、デブリ回収ミッションなり。(て、そういうことは現在の技術でどの程度可能なんかな?;)
というかおそらく、現段階ではこういう問題に関する規定がないんだろね。宇宙葬とかお気楽に言ってる企業もあることだし。
デブリが増えるとこういう問題が起こることはうすうす分かってたんだから、そろそろ宇宙についても打ち上げ規制とか違反時の罰則とか決めた方がいいと思うよ。対象が国家であれ個人や企業であれ。南極条約みたいに。
いずれ「プラネテス」みたいに、宇宙飛行士によるデブリ回収が業務として成り立つようになるんだろうかね。ゴミになると後が大変だってのは日頃の生活でも分かりそうなもんだけど――わかんないかなあ、まだ、中国の宇宙開発担当者には。そもそもこういう計画の立案者は、ゴミの分別をしたことがあるだろうか?
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